No.63 初めての土地散歩

うんと天気がいい。休みの日にこうあって欲しいもんだ。 昨日落札した「エタダク」の振込のため、お昼休みに近くの銀行までお散歩することにした。 いやあ、秋の天気のいいお昼どきって最高ね。もう線路の下の歩行者しか通れないトンネル通った頃から楽しくってむずむずしてきちゃった。会社から銀行までの10分弱くらいの道のりがなかなかステキな町並みで、まるで小学校のときの下校時のムードなの。色とか匂いとか音とか全部最高でほんとに感激してしまった。最近お散歩不足だったから心に余裕がなかったんだと気づいた。お散歩してこの強烈な幸福感を感じてしまうと冗談じゃないくらい心が落ち着いて、前向きになり、全てのストレスから解放される。 しかもこの道を通るのは初めてだもんだから次の景色を予想できないのがまた楽しい。ぼくは知らない町並みを歩いて散策するのがほんっとーに大好きで、引っ越しする前なんかまだ見ぬ新しい町並みのことを考えて勃起してしまう。 慣れた町並みってのは「意味」を持ってしまっていて、どうしてもある程度固まったその「意味」に従う感じになってしまう。わざといろんな視点で見直そうとすれば「初めて」なみに楽しめるんだけど、それはそうしようという意志が準備されてないと成り立たない。 だからぼくはあの純粋な「初めて」の、瞬間瞬間景色を誤解して捉える行為の連続、どんどんリアルタイムで新規の情報を自分勝手に構築していくあの感覚がたまらなく好き。 急に予想もしてなかったでっかい公園があらわれたり、進行方向と逆になんとも魅力的な「小道」を発見してしまって誘われるように入っていったり、どこで方角が狂ったのかありえない場所にでてしまったりと、あまりにも気持ちいい刺激にあふれている。

ぼくがこの「初めての土地散歩」が好きだと最初に自覚したのは、高校生の時あこちゃん(姉)の住む弘前に家族で旅行に行ったときだ。あこちゃんの下宿の近くの通りや見慣れない駅前の町並みになにかすごく感じるものがあって、とてつもなく楽しい気持ちになった。あこちゃんは何年もここに住み、この町並みにすでに「意味」を持たせているわけだから、ぼくのこの見え方とは全然違う見え方なんだろーなー、と、そういうことを初めて意識した。 知らない町をどんどん覚えていく過程を想像したらもういてもたってもいられないくらい興奮して、はやくぼくも遠くの土地で一人暮らしをしてみたいと強く思った。 そうだ、あの時から「知っている景色」と「知らない景色」の面白さみたいなのに惹かれ始めたんだ。 で、お散歩大好きになったんだ。 そしてこの感覚を激しく(ほんとに激しく)共感できたのが龍ちゃん(大学の友達)だったんだ。 ああ、なにしてっかな、龍ちゃん。

2002-10-31-THU

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送