No.73 さゞなみ

今日は「さゞなみ」公開の日。米沢で撮影したのでなんと米沢と山形で全国に先駆けての先行上映をするのだ。こんなことはめったにない。しかも舞台挨拶に長尾監督と唯野と豊川がくる。すごい!ほんとは出演者よりも葛西(美術担当)とか保坂(台詞協力)が見たかったがそれでは人が集まらない。わかってるさ。 で、その指定席券をゲットするために朝からソラリスへ。 予想外の行列にちっとびびったが、なんとか券はもらえた。40分近く並ばせられたよ、もう。 並んでたら会社の女の子が券をもらって帰ってくるのとすれ違った。会社外で同僚と偶然会うのなんてのは相当めずらしいのでなんだか楽しい気持ちになった。  家に帰ってのんびりして、1時にさぽを迎えに行く。 家にかえってさぽにナシゴレンを作っていただく。ナシゴレンはいつ食ってもうめー。飽きそうな濃い味なのに、全然飽きない。 微妙にクセがあるからかな。 午後もたらたら過ごす。 2日休みがあると、アクティブデーとマターリデーに分けて使えて良いね。 どっちかだけだとなんか後悔が残る。 一日家にいると夕方ごろすごく眠くなる。でも、この眠気はまやかしなのでこれに騙されてはいけない。ここで寝ると、経験上その後の生活が圧倒的に不幸になる。 そういうときは外にでたりして、興味を全然違うことに向けるといい。健康的な好奇心がむきむき目覚めてとっても楽しく夜まで過ごせる。 しかしところが今日はうっかり誘惑に負けて寝てしまった。時間差でしげぽ、さぽの順で寝たので、出かける直前に目覚めたさぽの方は最悪。頭のぼやぼやする中で服など選んだもんでどうも判断力がなく、たいそう時間がかかってやや落ちたようだ。

でも映画館に着く頃にはふたりともノリノリ。いつもとちょっと違う雰囲気の劇場がなんか楽しい。ライブの始まる前の雰囲気とにている。便所に行く途中会社の娘にまたでくわす。 コーラなどかって戻り、しばらくすると司会が壇上にあがり進行をはじめた。さぁそろそろ3人がはいってくるかなっていう、絶妙なタイミングでおくれてはいってきたおじちゃんが全員の注目を集めた。あれはおいしい。 で、ほんとに3人がはいってきた。場内どよめく。 唯野は白いかわいいドレスにキャメルのブーツをはいていて、はじめブーツと気付けず「体は細いのに膝下がやたら太いなー」と思ってしまった。あまりにもしゃべれてないキャラがすごくかわいかった。たたずまいというかなんというかすべてがしまちゃん(ともだち)そのもので、ふたりしてあれはどうみてもしまちゃんだと驚いていた。 監督はあまり知らないのだが、すごくわかってる人だ、あのものごしは。なにせ印象がうすいもの。 豊悦はロングコートにサングラスでなんとなくシルエットが野暮ったいかんじだった。髪型もちょっといつもの感じとちがってて、遠くからだと誰だかわかんない。でもしゃべったら豊悦だった。もっとしゃべれない感じだと思ったが、意外に場馴れしててつらつら言葉が出てきたので印象が変わった。 唯野がよかったなー。終始ほとんど弱い子なみの受け答えで、すごくぼくの大好きなオーラをはっしてた。15分ほど司会のくだらない質問がつづいて、首尾良く舞台挨拶終了。 さようなら、有名なひとたち。 で、映画。

ぼくの生まれ育った「米沢」が舞台となっているこの映画。知ってる場所が次々と出てくるのはそれだけで単純に痛快だった。唯野演じる「稲子」がすむアパートはぼくの家から数百メートルのところで、あるシーンできたろうがアパートの外で途方にくれてる時のバックにもう少しでぼくの実家が映りそうで、「きたろう、うごけ!右にあるくのだ!」と心の中で祈っていたがだめだった。 あと30度右にパンしてくれたら映ったのにな〜。 良く遊んだ繁華街や、駅や市役所なんかが次々と出てきてすごく個人的に面白かった。 そういうの抜きにしてもひじょーに良質の映画で、稲子の繊細さが作品全体にすさまじい緊張感をだしていて、その息苦しさと田舎のゆったりした時間感覚とのギャップがすごく気持ちよかった。保坂が「会話」の調正に関わってるだけあって、最小限の情報でなされるリアルな会話が時に理解しがたいほど説明不足で、それもまた心地よい。映画を見てて、ご都合主義の説明的台詞まわしほどひいてしまうものはないもん。稲子はほとんどしゃべんない(相づちとかがほとんどで、たまにしゃべっても2時間ぶりに声を出したときのようにうわずっている)ので、見てる人でその「間」がすごく苦しい人がいたと思う。常にしゃべってないと不安みたいなひとはあの「間」は拷問だろーな。 映像は葛西がどうからんでるのは知らないけど、「烏龍茶」を感じる構図、色がどんどこでてきてきれいだった。 ところで暗いところをほんとに暗く表現する場面(古い家のなかとか)が多かったのだが、こういうときいつも映写の欠点を感じる。「黒」が光で表現されてしまうからどうしても「明るい」。真っ黒をだしたいはずなのに、どうしたってしらぱけた黒しか出ない。前の人の逆光でシルエット化した頭のほうが断然「黒い」。 はがゆい。 最強の「光の再現」を誇る映像再生方法があるとしたらどんなもんなんだろう?なんて平行して考えてしまった。 いや、しかしとにかく面白かった。 松坂慶子がなんともよかった。和歌山の温泉がこれまたよかった。峠駅がかっこよくうつってた。

2002-11-10-SUN

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