No.101 ゆぴあ

今日はおひさしぶりの伸之助に会ってきた。 黄疸の症状がでてちっと退院が延びはしたものの、先週母子ともに無事に退院し、親子三人アパート暮らしを始めていた。 数日前からさぽの母しのびーがじゅんこのお手伝いに泊まりこんでいて、今日は午後からぼく、さぽ、しのびーで「ゆぴあ(スーパー銭湯みたいな施設)」にいく約束をしていた。 だのでさぽのバイトが終わるとすぐに、お風呂の支度をしてとしみつの家にしのびーを迎えにいったのだった。 

しばらくみなかったら伸之助は顔つきが変わっていた。 前はとしみつそっくりだと思ったんだけどそうでもなくなってて、目がだれともちがう雰囲気になってた。 緊張しつつ抱っこさせてもらった。 かわいい・・ ものすごくかわいい・・・ なんだこりゃ。 返したくなくなるくらいかわいい。 赤ちゃんは女性の高い周波数の声が好きだと小学校か中学校で習ったような気がしたので、終始キンキンした高い声で話しかけた。 ちょっとしたひょうしに泣き出しそうだったので、「あっ泣けてきたな」とおもうと、がらりと話の調子を変えてみたり、ちょんちょんちょん〜とジングルベルを歌ったりして場の空気を煙に巻き、めくるめく「ありえないペース」を展開してみたところ、やはり赤子とはいえ圧倒的な「おかしな時間の組み立て感」は伝わるようで、きょとんとして泣くのを忘れるのだ。 これは面白い。 動物だとこれは通じないのだ。 すごい不可思議な「間」でもって調子を崩してやろうとするのだが、あいつらはおかまいなしで吠え立てたりするのだ。 わかっちゃいない、まったく。 その点こいつったらかわいい。 この「間」が理解できるとは実に粋なベイビだ。 

さて、「ゆぴあ」は天童市にある。 以前天童で「幻の地方誌」を作っていたときは、忙しい時期がおわると決まってここにいくことになっていた。 だもんだからぼくのなかで「ゆぴあ」は「開放感」の象徴みたくなっていて、ゆぴあへむかう道、入ったときの匂い、独特の風呂上がりのざわついた感じなど、すべてが大好物なのだ。 田圃にかこまれたこの施設はある時期になると外がひじょうにうんこくさくなるのだが、その匂いさえもぼくのなかでは良き思い出なのだ。「ああ、これこそゆぴあ・・」と。  下駄箱に靴をいれるとコインを使わなきゃで面倒だったので、下駄箱の上に靴を置いた。 そしたらなんとかたっぽの靴が下駄箱の影に落ちていってしまったのだ! これは最初から一大事をやらかしてしまった、とおもったが、うしろがよく見ると壁でなくガラス戸になっている。 これはもしかしたらウラにある従業員がいそうな部屋からとれるんじゃないかしらっつって受付のお兄ちゃんにそのむね話すと、「あ、はい。ちょっとお待ち下さい」なんつって実に手慣れた応対。 みんなやらかすんだな、これ。 でもよかった、すぐ解決して。  1時間後に待ち合わせて別れる。 前はぼくもかるく1時間くらい楽しめたんだけど、ある時からバスタオルがないとサウナに入れなくなっちゃって、それ以来ぼくは サウナにはいらなくなった。 サウナは5分×3セットでインターバルをいれると2,30分は使ってた、結構なウエイトを占める大イベントだったので、それが無くなった今、1時間は正直つらい。 だのでぼくはさっさとあがって漫画を読んでようと思い、ポケットに「綿の国星」の文庫本を忍ばせてきたのだった。 予定どおり30分十分にあったまり、さまざまなペニスを見、ほかほかになって上がり、バヤリースのさらっとしたトマトジュースを一気に飲み干す。 ちっと塩気が足りないなぁなんておもいながらおもむろに「綿の国星」をとりだす。 大島弓子の漫画はとんでもなくクオリティが高く、ほんとに面白いんだけど、ぱっと見成人男性が間違っても読んじゃいけないようなブリブリな絵柄なので取り出した瞬間ものすごく恥ずかしくなってしまった。 しかしここは開き直って屁でもこきながら堂々と読んでやることで、逆に絵柄で偏見を持つような甘っちょろい野郎っかすに「真の男」を教えてやるくらいの勢いで読み始めたのだが、1分もしないうちに2人とも上がってきてしまった。 なんだよ、早いんじゃん・・・・ 

しのびーから温泉たまごとアイスを買ってもらい、ウキウキで帰宅。 風呂上がりの夕方のバイパスは実に気分が良い。 しのびーをとしみつ宅でおろしてぼくらも我が家へ。 うんと気持ちよくなったぼくらは、ご飯をたべてしばらくすると眠くなってしまい、あるある大辞典の途中で眠ってしまった。 せっかくの貴重な休日の夜だってのに、なんともったいない。 明日からまた仕事か・・ 休み1日はやっぱりせわしないなぁ。

2002-12-08-SUN

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