No.113 線引き

ウェーブバード(GC用の無線コントローラー)が微妙にこわれた。 買ってまだ数週間だというのに、3Dスティックがぐらぐらいいだした。 3Dスティックは、通常ならバネによって常に360度全方向に対して中心に戻ってくる機構なのだが、ぼくのは横方向だけ左右15度ずつぐらいの「あそび」ができてしまって、触って無くてもどちらかに傾いてしまう。 コントローラーをおいといただけでゼルダがそろそろ歩き出す。 これじゃプレーに支障があるので、くそめんどくさいが修理にだそうとおもい説明書などをひっぱりだして見るが、保証書がない。 どうやらこういう4〜5000円程度の周辺機器には保証書などないらしい。 故障のときは買った店に問い合わせろと書いてあったので、電話でウキウキ新大陸のヲタ店員にその旨はなすと、状態を見てみないと何とも言えないというので、そりゃそうだよなと、ものすごくめんどくさいががんばって持っていった。

店員に見せるとしばらくぐりぐりスティックをいじくっていた。 その触り方でぼくのいったような類の症状がわかるのか?という無意味な触り方を、いつまでもいつまでもいつまでもしてるので、ばかかこいつは?と殴りたくなったが我慢。 随分おとなだ、ぼくは。 漸くどう触ればいいか分かってきたらしく、「これじゃプレーに支障がありますもんねぇ」と、数秒で気づいたときにするような言い方で普通にいってきた。おいおい何分またされたんだ、おれはぼくは? で、当然不良品扱いとして平謝りで対処してくれるものかと思いきや、送料と修理費がかかりますがいかがしますか?と聞いてきた。 ええ?? なんでぼくがお金はらうの??? お金もらいたいぐらいだよ。 こんなわざわざ時間割いて車運転してきてやってさ。  むこうの言い分はこうだ。 「買って一週間くらいまでなら初期不良として認めるが、2週間すぎると何が原因で壊れたのかが分かりづらくなるから不良品として扱うのは難しい」と。 たしかにそらそうだ。 ぼくがぶつけたり落としたりしてないとも限らないもんね。 小売店店員としてはそういうしかない。 しかしぼくはぶつけても落としてもなく、ただ普通につかって大事においといただけなのだ。 むむむむむ・・・・。 むこうの立場と対処の限界が「理解」できる故に、なんともやりきれない。 この人に「でもふつうに使ってて壊れたんだから1週間も2週間もないでしょ? こっちに非がないのになんで余計にお金ださなきゃなんないの?」なんてなことをいったって始まらない。 この小売店店員には何も非はない。 ではどこに非があるか? 任天堂か? 否。 全く不良品を出さないなんてことはいかに企業努力を積み重ねたって「不可能」である。 もし原子が「偶然」いっぺんに同じ方向に動いたらその「小石」は急に飛び跳ねる。 どんなに可能性が天文学的数字だろうと、それが「起こりうる」のが現実世界。 逆に何かある現象を「絶対おこさない」ように管理することなど人間には無理なのだ。 なるべく、ほとんど起こらないように「努力する」のが精一杯なのだ。 それでも起こってしまった「事故」には出来うる限り誠意をもって対処するというのはもちろんなのだが、それが本当に自分サイドの「非」によるものなのかどうなのかの判断がむずかしい。 つまりたとえそれが「無意味」だとしても、ある「線引き」をするほかないのが現実だ。 身長が1mm足らないデブが相撲取りになれないように・・・  その「線引き」をしないですべての申し出を引き受けてしまったら、「悪意ある申し出」によって、たちまち誠意ある企業は破綻する。 極端な例をいったら、送っても送っても、その度バットで商品をぶん殴って送り返されたらいつまでも新品を送り続けなければいけなくなるのだ。 つまり、こういった問題の「非」がどこにあるか突き詰めると、そういう「悪意」なのである。 全ての人間が正直に、自分の非によるものは自分の非によるものだと申し出る世界ならば、企業側も何の疑いもなく申し出の全てに応えることが出来る。 ところが現実はずるいちっぽけなノミのような人間がいっぱいいて、私利私欲のためにウソをつき、そういう誠意を踏みにじるのだ。 結果企業はすべての申し出を信じるわけにはいかなくなり、一週間という「便宜的」な期間を設ける他なくなる。 結局いつも思うのだが、ひとりひとりが志を高くもって、誠意をもって、真剣に、注意深く生きてさえいれば「法律」なんてばかばかしいものさえいらなくなるのだ。 もちろん「法律」の不可欠さはわかってるし、「悪法も法なり」というすばらしい決意に感動もする。 しかしそれは「マジョリーティ=バカ」というこの地球の現在の「現実」ありきの話であって、「真理」ではない。 現実にたいする「対処」のひとつでしかない。 あり得ない理想を語ることに意味があるかどうかはわからないが、なにをどう考えていても、どうしてもいつも最後は「ひとりひとりがしっかりしないことには何も始まらないなぁ」ってことにいきつくんだよなぁ・・・ 

2002-12-20-WED

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