No.140 斑鳩

さ、今日こそゆっくり「斑鳩」やるぞと思ってたんだけど、結局ご飯食べて一休みしたら10時ちかい。 あぁ、毎日定時で帰りてー。 「斑鳩(いかるが)」とは2001年からアーケードで凄まじい人気を集めたシューティングゲームで、最近ついにGCに移植、発売された名作。 どうも冬になってからゲーム欲求が強くなってきたぼく、アンテナが敏感になってたもんだからうっかり情報が入ってきてしまって買わないわけにはいかなくなってしまった。  これを作ったトレジャーというメーカーは、会社は小さいのだがとんでもない実力をもっていて、目の肥えたアクション(反射神経を要するもの全般という意味で)ゲー好きの絶大な支持を得ている。 なんというか、メーカーそのものが「職人」なのだ。 間口を広くして俗っぽい要素ちりばめてマジョリティを喜ばせることをしないで、そのものの本質を掘り下げて、分かる人にだけやってもらえりゃいいやと、究極にストイックな優良作品を出してくれる、まさに現代の「トレジャー」的ソフトメーカーなのだ。 64で出した「罪と罰」という斬新なシステムのアクションも、知る人ぞ知る超名作。 ここの出すゲームは、売りに出さないでいつまでも所有していたいと思わせてくれる、ほんとにいいものばかりなのだ。

さて、ぼくはゲーセンに行かないので、実はこの作品の存在を最近まで全く知らなかった。 ところが偶然目に付いた記事での評価のされ方が実に気持ちよく、どうも気になり、メーカーはトレジャーだし、その後各方面で調べてもみんながみんな大絶賛ときた。 ひさしくシューティングなんてやってないから、そんなに面白いんならいい機会、と、昨日購入。 で、早速やってみる。   「・・・・無理。」    ムズ過ぎ。 これはライトゲーマーが手を出していい代物ではなかった。 もう何がなんだか分からないうちに、ちゅどん。 ちゅどん。 またちゅどん。 安かったとはいえ、とんだものふんじまった〜!!とプチ後悔しつつ、試しに練習モードをやってみる。 この練習モードは、ひとつのステージを細かくわけ、その1区切りごとに練習できるというもので、1/2のスピードの「お手本プレー」も収録されている。 さてその「お手本プレー」。  これが芸術。  一寸の無駄もない、すべてに意味のある動き、すなわち「正解」がそこにあった。 そう、これは瞬時の判断力によるファジーで適当な弾よけをするゲームではなく、完全に「覚えゲー」なのだ。 正解を参考にしつつ動きの「パターン」を構築し、それをなんどもくり返し、体に覚え込ませ、そしてそれがカンペキに手癖となったときはじめて、ステージ通して「完璧なプレー」が実行できるという「覚えてなんぼ」なものだったのだ。 それはまさしく「楽器」によってフレーズを練習し、いろんな手癖を修得し、いざ一曲とおしてプレーするというあの「全能感」に他ならない。 ぼくがさっき味わった「だめだめ感」は、まさになんにも準備のないまま慣れない楽器でアドリブをとろうとしたときの、「あの」グズグズ感だったわけ。 こうして正しい「楽しみ方」を理解した瞬間から、ぼくはこの「斑鳩」という作品に完全に惚れ込み、はまってしまった。 まさにこれをもとめていた。

この「斑鳩」、実はそのシステムのアイディアこそが秀逸で、そのアイディアに準じて配された敵機の「パターン」にも一切の無駄が無く、そこにとんでもない「機能美」が潜んでるのだが、これについてまで語ると「ゲーム」が生活の中にない人にはくどくなってしまうので、興味のある方はここ を見て、そのアイディアがどう優れているのかをぜひ知って欲しい。 基本的に興味のない方も、「テレビゲーム=バカ向け低俗娯楽メディア」と一蹴せず、どんなカテゴリーのものでも抜きん出て秀でたモノは一様に「優れたアート」であると考えて、ちっとでも興味をもってほしい。 高尚、低俗でみるなら、「売れ筋推理小説」なんかよりもずっと「芯」があるとおもうのさ。 出来のいい「テレビゲーム」のほうが。 でもいまだに漫画の地位があれじゃあ、いくらこんなこといっててもゲームっ子の必死の自己肯定ぐらいにしか見られないのかな、世間的には・・・

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2003-01-16-THU

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