No.146 不意の珍客

お昼すぎくらいに内線で電話があり、「佐藤さんがみえてますけど」といわれた。 「佐藤さんってだれですか?」ときくと、「ぎりの弟さんといってます」と。 としみつだ。 突然どうしたんだろうと玄関口までいって話をきくと、「遠くまでいくんだけど車がへっぽこ代車でこころもとないからシゲッツ(しげぽ専用機のヴィッツ)と交換してくれ」とのこと。 すぐさま鍵を交換して駐車場まで案内する。 そのへっぽこ代車が「オートマ」だもんで、ちと緊張。 なにせぼくはオートマが大の苦手で、しかもあんまりひさびさに乗ったもんだから、最初当然のように左足をブレーキのうえに置いてしまったほどだ。 そういえばこないだ出社時にふざけて左足でブレーキを担当して運転してみたんだけど、あぶない。 ひじょうにあぶない。 ちょっと踏んだつもりが「がくん」といきなり踏み込んでしまうのだ。 なぜだか左足では微妙な調節ができなかった。 あと、手をクロスさせてハンドルをもつのも絶対やめた方がいい。 ぼく死ぬほど恐ろしいおもいをしたから。  それで思い出した。こんなおもしろ実験がある。  メガネに細工をして、上下左右逆さまに見えるようにする。 当然歩くのも恐ろしいほどの違和感だろう。 しかしそれもはじめのうちだけ。 何日かそれで生活していると、なんと目(脳)が勝手に補正してくれて普通に見えるようになるらしいのだ。 はたして「普通に見える」のか「逆さを普通に感じる」のか微妙なところだが、とにかく当たり前に生活できるようになるらしい。 もともと網膜は上下左右逆さまな像を受け取っていて、それを補正して脳に伝えているのだから、正確には「補正をやめた」というべきだろうか。 ちっとうろ覚えだけど概要はそんな感じ。 ぼくはこれを何かで読んで、すごい衝撃をうけた。 ぜひ自分の体でもって試すべきだ、とおもってはいるがなかなか勇気がない。 機会がない。 まとまった休日があったらいっとう先にやるんだが。

仕事がおわり、うんと緊張しながらオートマを運転して帰る。 ほんとにへっぽこで、べた踏みしても20km/hくらいしかスピードが出ない。かと思えば急に100km/hに加速したりする。 おっかねー。 さぽを迎えにいくと、さぽはぼくに大爆笑。 ぼくは乾燥予防にマスクをしてたんだけど、さぽいわく「この車でそのマスクでその髪型だと【本物】みたいでやばい」らしい。 まぁ、たしかにやばかろう。 へたしたら捕まるレベルだべ。  さて、家についてしばらくすると、としみつがお礼にと「コウシロウ」のお菓子をもってやってきた。 今日は「出産祝いのお礼(お返し?)」にじゅんこと伸之助と3人で出かけたらしく、ぼくの実家にもいったようだ。 で、ぼくのお母さんと話してきた、その話がとんでもなく面白かった。 ぼくのお母さんは乗ってくるとすごい勢いでしゃべりだすのだが、今日はほんとに絶好調だったらしく、体をうんと前に乗り出して、まさにノリノリでしゃべっていたらしいのだ。 としみつはテーブルに用意された「まんじゅう」らしきものが非常にうまそうで気になり、ずっと食べたいと狙っていたのだが、ちょうど取ろうとして手を出そうとすると、きまってお母さんが前に乗り出してきて、まんじゅうを上半身で被ってしまう。 なんどかチャレンジするが何故かタイミング良く(悪く)お母さんが乗り出してきてしまって、結局最後まで食べれなかったのだそうだ。 おそらくテーブルの中央、あるいはさらに客側に置いてあるであろうお茶菓子を覆い隠してしまうとは、一体どんだけ乗り出していたのか!  不意の珍客がよっぽど楽しかったんだろうな。 うんとちいちゃいのまでいたし。 

2003-01-22-WED/p>

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