No.155 グッドタイミング賞

あらかじめことわっておくと、この話はちゃんとさぽの承諾を得て書きます。 公に向けたこの媒体をつかって、卑劣に辱めてるわけでは決してありません。 さぽはついにここまで大人になりました。といういい話。

今日の夕方、へろへろになりながら仕事をしているとさぽから一本の電話。 声の調子からして相当面白いことがあったとわかる。 「これはあんまりおもしろくてすぐにでもしげぽにいわなきゃだと思った」という。 話はこうだ。 さぽは雪がでこぼこに固まった非常に歩きづらい道をバイトを終えて帰っていた。 道の両脇には度重なる除雪作業によって積み上げられた雪の山が出来ていて、そのぶん「歩道」にあたる領域が侵食され、車がくると歩くところが非常に狭く、さぽはただでさえイライラしていた。 と、家の前の道に曲がる最後の角で、向こう側からカップルが歩いてきた。 いちゃいちゃとした様子で、これから一人でせまい道をすれ違わなければいけないこっちからしたら実に嫌な、邪魔くさい存在である。 このときさぽは、あるひとつの決意をする。 すなわち、「すれ違いざまに屁をかましてやる」という大胆な、実に大胆な勇気ある決意である。 はたしてこのときさぽが「どの程度」の屁を想定してたか定かではないが、「かましてやる」と決意したくらいだから、もちろん最低限「相手にしっかり聞こえるだけの音量」は覚悟していたはずだ。 そうしてさぽは次第に近づく「敵」の間合いにあわせて慎重に「弾」を充填し、そのタイミングに全神経を集中させた。   ほどなく運命の瞬間。    なんとさぽは、まさに「カンペキ」といっていいタイミングで、実に「芯」のしっかりとした、ひとつの迷いもない、真っ直ぐな、力強い、最高の「屁」を見事にやってのけたのだ。 「ブゥ〜〜〜〜〜ッ!!」 実際に聞いたわけではないが、おそらくこのなんの工夫も装飾もない擬音がぴったりな、硬派でいてしなやかな「王道」たる屁であっただろうとおもう。 「ブゥ〜〜〜〜〜ッ!!」。   このすざまじい奇襲攻撃に敵がどれだけダメージをうけたことか。   電話口でさぽは「さぽはついにここまで辿り着きました!!」と溢れる充実感、達成感を「あつあつ」のうちにぼくに伝えてくれた。 そして自らに「グッドタイミング賞」なる名誉の賞を授け、「これからはひたいに【G】の文字を書いて生きていく」とまで決意したのだ。 ひたいに【G】。 グッドタイミングの【G】…。 か、かっこいい!!  ぼくはこの電話の間中、さぽのオーラに完全にのまれてしまっていた。 それほどこのときのさぽは輝いていたのだ。 ぼくはこれから、「その分野」においてさぽに一目置かないわけにはいかなくなってしまった。 完全にぼくが一歩リードしていた得意分野だったはずなのに、いっきに差を付けて抜かれたしまった…    しかしくるとこまできたな、こりゃ。

2003-01-31-FRI

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