No.159 ビーフカレー

今朝、会社に行く途中、いつもなかなか曲がれない丁字路でじりじりしてると、同じくじりじりして渡れずにいる小学1年生に対して親切な車が「パッシング」で「渡れ」の合図をだした。 「パッシング」の意味ってこんなちびっこに通じるのだろうか?と興味をもったのだが、なんの迷いもなく、「ぴか!」と光った瞬間(停車を確認して渡ったのでなく、「前もって」のパッシングで事態を飲み込んだことが重要)に渡りはじめたよ。かれは。 かれが経験知によって「パッシング」の意味を知ってたかどうかは分からないけど、仮に知らなかったにしても同じく渡ってたとおもう。 かれの中では「目、ぴか!」の瞬間から、「人間が運転する自動車」ではなく「くるまくん」に変わったんじゃなかろーか?と思ったのさ。 くるまくんが自分だけにわかる目の合図で「いきな!」といってくれて、「うん!あんがと!」と、当然のように受け入れた。 と、そんなのが一番しっくりくるような態度だったの。かれ。 で、なんか、【あちこちでいろんな「世界」が実は存在してる】感が急に強くなってきて、「その人にはその人の真実がある」という、ぼく的に受け入れがたい(「好み」って概念に繋がるから危ないとおもってる)はずの考え方が、別の切り口からだとすんなり染みこむなぁ、なんてしみじみ思ったりした。 八百万の神って発想はこういうこったろうなぁ。

さて、今日はなんと念願のビーフカレーをさぽが作ってくれる! ぼくが一番好きな、ブロック状のすね肉がゴロゴロはいった「あの」タイプだ。 日中から頭のなかはカレーのことでいっぱいで、よだれダラダラで仕事をしていたのだが、7時すぎ、さぽから「やばいよ」のでんわ。 その一言でもうぼくはやもたてもたまらず、とんでもないスピードで仕事を終わらせ、日記をあげ、つるつるの道路に躊躇なしの猛スピードで帰宅。  家の中は空気が茶色なんじゃないかってくらいカレーの素敵な匂いが充満していて、カレーキチのぼくには待ってる時間が拷問。  で、きた。 柳のプレートにのって出てきたよ。 ほんとに待ちに待った、ぼくの中でのスタンダードカレーがついに、わがやの食卓にあらわれちまったよ。 さぽは最初、カレーを作るのを躊躇してた感があった(ぼくがあまりにもカレー好きだからか??)んだけど、一度作ってからは一転してカレーづくりが大好きになったらしく、今日なんか仕事中「帰ってからカレーを作る」と考えるとうれしくて高ぶってたまらなかったのだそうだ。 なんと、なんとすばらしい奥さんだろうか!! カレー作りが至高の喜びだなんて、そんな冗談みたいにぼくにうってつけの人が他にいるだろうか?ってぐらい、いやほんとすばらしい。 さて、ちょっともったいぶってビールなど余裕で飲んでみる。 うまい。 よし。 いくか。  まずはイモとルーとご飯をたっぷり口にふくむ。 おおお!!  以前にまして重厚なこってりとしたぼく好みの味。  ・・・うまい。   酸味がきいているのでなにかときくと、自家製ヨーグルトとケチャップをいれたという。 ケチャップはこないだDHCで買った、完全オーガニックのうんと安心でうまいやつ。 これが実にカレーにあう。 で、ついに、ゴロリとした肉を食べる。  あぁぁぁ・・・・・・。  とろける。  これだ。これなのよ。 カレーの肉って。 ぼくのカレーの原風景はこれに他ならない。  インドっぽいさらさらカレー。 チキンカレー。 ポークカレー。 バラ肉のカレー。 どれもすばらしくおいしくってもちろん大好きなのだけれど、どうしてもぼくの中でのナンバーワンは、このゴロリとしたでかい肉塊がとろりととろけた、ルーの黒っぽい、いわゆるこの「ビーフカレー」なのだよ。 ぼくはひとくちひとくち、全身で喜びを噛みしめつつじっくりとこの「至高の料理」を楽しみ、喜びを一気に消費しつくさぬよう、おかわり「一回」で我慢した。 ああ、明日の朝も、明日のお弁当も、明日の夜も、あさっての朝もカレーが食べれる。 なんという幸せ。 

 

2003-02-04-TUE

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