No.241 極上の夜さんぽ

桜がすごい!!! あんまりきれいで、しかも天気が良くてあったかいもんだから、今日はお昼にみんなで会社の前の公園の桜の木の下でお昼を食べた。 1時間たっぷりと春を満喫できて、休日並にリフレッシュ! ぼくは「木」がうんと好きで、近くに木があるだけで、信じられないほどの喜びを感じ、もりもりチカラが涌いてくる。 ただの木でさえそうなのに、「サ(山のパワー)」が留まる木、「サ・クラ」である。 これから里に降りるはずだった山のパワーが、全部ぼくに流れ込んできてしまった! やばいやばい。  おかげで今日は、午後からもチカラがこぼれるほど体の中に渦巻いていて、いろんな新しいことを身につけることができた。 自然からうけるチカラはすばらしい! 何一つ嘘がない。 いっさいの無駄がない。 プラスに向かうチカラに溢れている。 全的にあたたかい。

喜びと興奮は夜にまでつながり、抑えきれず、さぽとふたりで散歩に出かけた。 夜だというのに信じられないほど暖かい。 うれしい。 ぼくの家の向かいの横山さんの家には山形一立派な桜の木が生えていて、その素晴らしさを自負するブルジョワジー横山氏は、なんと通行人みんなのために、毎年大がかりなライトアップでもってその素晴らしい桜をさらに美しく演出してくれる。 ふたりはしばらく横山桜にうっとりと見とれ、もったいないと写真を撮り、また見入り、そしてようやく歩き出した。 この時期うちの近所の人は何かに取り憑かれたようにふらふらと桜に吸い寄せられ、いつでも誰かかれか桜を見上げてうっとりしている。 人が通ってもいっさい気にせず、ぽか〜んと口をあけ、上手に宇宙と同化している。 すごくうれしい絵である。 ぼくらが歩き出したと同時くらいに、隣の細谷さんのばあちゃんが例によって桜に吸い込まれるように歩いていて、すれ違ったんだけど邪魔しちゃいけないと挨拶はひかえた。

川沿いを1時間ほど歩き、空気の気持ちよさや、なんというか、ひさしぶりに夜に散歩なんかしたもんだから、まるで外国の知らない町を歩いているような強烈なワクワク感が湧き起こり、最近味わったことのないとてつもない幸福感にふたりして包まれた。 もともと散歩は大っっっっ好きなんだけど、冬からの開放感プラス、この季節そのものが持つこわいくらいの素敵さで、もう地団駄ふむしかないほどうれしくって幸せでたのしくって、どうにかなってしまうかと思った。 このまま永遠に歩きつづけたいと本気でおもった。 生活の中のいろんな喜びを知っているけれど、散歩が「成功」したときの楽しさにかなうものは無いとぼくは思う。 この喜び、気持ちよさには「間違い」が微塵も感じられない。 それは、この幸福感こそが、人間が、生き物が感じて然るべき幸福だからなんだと思う。 いっさいのエゴ、自意識を忘れ、社会から完全に解き放たれた上に成り立つ喜び。 ほんとうにほんとうに今日の散歩はすばらしかった。  帰り道、なにかのきっかけでふたりの頭にひとつの風景が浮かぶ。 たしかこの近辺のはずのその「道」。 なんてことはない普通の道なんだけど、急に空気が変わるような、すごく特徴的な、実に素敵な雰囲気をもつその「道」。 ふたりとも場所や前後の道のつながりは思い出せないんだけど、その印象だけは強烈に残っていて、片方が話したら、もう片方も一撃でどの道のことか分かった。 ぼくらはどうしてもその「道」を探し出したくなってしまい、家とは反対方向になっちゃうけど、その「道」を求めて散歩続行を決意。 たのしい!!!!  近所といえば近所なんだけど、家から500Mははなれたそのあたりの区画は、ぼんやりとしか土地勘もなく、ちょっと小道にはいると急に知らない町になったりする。 だもんだから、「初めて町フェチ」のぼくらはもうたまんないわけ。 突如あらわれるいままで存在さえ知らなかった小学校、家から聞こえる楽しそうな声、素敵な玄関や踊り場の光、ここはここと繋がるのかという発見、次から次へと様々な幸福が、これでもかこれでもかとぼくらの体に流れ込んでくる。 飽きるなんてことはあり得ない、LIVEな刺激。 ほんと、どこまでもいけちゃいそうな気分の高揚。 ところが意外なところからそれはくじかれた。 ぼくの便意である。 急にうんもがしたくなってきたのだ。 奥へ奥へ、小道へ小道へと突き進んだために、近くにはコンビニなんかある気配もなく、これは大ピンチである。 ぼくはもらすときはもらす男(大学のときも3回くらいもらした)なので、ほんとにやばい。 さぽには悪いが、もうぼくの中では「あの道」より「便所」である。 なるべく最短で家へむかおうと、脂汗をかきながら左に曲がったそのときである!  なんとなんと、曲がったその先の道こそ、まぎれもなくあの印象的な道だったのである!!! すごい!! 近づいてきているとも、この辺のはずだなんて感じもしてなくて、むしろここらへんは違うんじゃないかと思ってきてさえいたのに!! 諦めの左折だったのに!! すごい。 フントにすごい。 うれしい。  この道、なにが印象的って、道に並んだ街路樹(桜)が、道の真ん中にむかって左右から枝を伸ばし、きれいなアーチを描いているのだった。 さらに道の片側が小学校の敷地のため、空間が「抜け」た感じがあって、それがさらにいい雰囲気をだしているのだ。 あんまりビックリしてうんもも引っ込んでしまった。 かわいい黒猫にもあった。 いつも着物の名物じいちゃんにもあった。 朝まちがってゴミに出したポンちゃんも拾って帰った。 ポンちゃんごめんね。 もう捨てたりしない。

2003-04-17-THU

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