No.257 福島→米沢

朝おきるとさぽがいない。 ずいぶん早い時間から隣にいなかったような気がする。 のっそり起きだして下におりる。 下にはばーちゃんしのびーひろみつ。 やっぱりさぽはいない。 そのうちみんな集まって朝ごはん。 しのびーがいつものように「さちこーーーーー!!!」とどなるとさぽはどっかから当たり前みたいに登場。 6時ぐらいにおきたさぽ、すでにじーちゃんと墓参りにいって、さらに今まで隣の菊田家でお茶をのんで昔話を聞いてきたのだそうだ。 ありあわせとはいうものの、それぞれうんとおいしい朝ごはんをいただき、ほうじ茶と飲むヨーグルトをごくごくのんでさっぱりする。 さぽは酒がのこっているようで、くわえて下痢。 ぼくは最近の微妙な不調感はあるものの、5月はこういうのがでてくるもんだとあきらめているので別に気にならない。 で、公一さんが農協にイチゴをおさめついでに山の方にドライブにつれてってくれるってんで、ぼくとさぽはよろこんでついていく。 途中さぽの二日酔いの薬をかって、農協にイチゴをおさめ、で、ドライブモード。 あらためておもったんだけど、保原町は緑がうんときれい! まず、多いし、そのありかたがすごく気持ちいい! ただ景色をみてるだけでものすごく幸せな気持ちになってきて、山にはいるにしたがって増える緑にふたりして大興奮!! 車に残るイチゴの匂いと、晴れた春の日の緑の匂いとがまざって、車のなかが未だかつて味わったことのないほど幸せな匂いに満たされる。 あんまり強烈な幸せを朝から感じちゃって、もう今日はいいやという気分。 もう十分満足。 花見山という、口コミから広まり、いまでは一大観光名所にまでなってしまったところを見て、山をぐるりとまわり、ちょっと小高いところからさぽのばーちゃんの実家を見下ろし、で家にかえった。 もうね、生涯心にのこるような素晴らしい映画を立続けに3本くらい見たような満足感。 まだ10時だってのにだよ。 なんて日だ、今日は。  家にもどり、ぼくは近所のお気に入りの神社にひとりで散歩に出かける。 ブランコやぐるぐるなんかのちょっとした遊具があり、公園的で、緑が集中していて、ついつい吸い寄せられてしまう。 神社の独特の木の存在感と日陰の柔らかさがぼくは大好きで、何もなくても一日中にこにこして過ごせる自信がある。 しばらく歩いたりブランコに乗ったり鳥が遊んでるのに見とれたりして楽しみ、名残惜しいが家にもどる。 文藝を持ってきていたので、保坂ネタで読まずに残しておいたエッセイを、マッサージ椅子の上で楽しむ。 幸せ…  なにも稼いでないのにお昼になってしまい、なにも稼いでないのにお腹は空く。 外食するかときかれたけれど、家でゆったりしたいので朝のつづきのような感じで昼食。 冷や奴と明太子とごはんと味噌汁を一緒に口に入れて口内料理をしたら、あまりのうまさにびっくりしてしまった。

午後、とくに予定もないけどまだ出発もしたくないぼくらはさらにぐだぐだと過ごす。 性懲りもなくぼくはまた神社へでかける。 今度は文藝をもっていったのでじっくりいれる(対外的に存在がなりたつ)。 保坂特集を読み切ってしまったので、次のページからはじまる「センスなし」という小説を読んでみたところ、これがなかなか面白い。 しらない作者で、いきなり「聖飢魔」のファンだという主人公が登場するのだが、そんなネタながら別に奇をてらったいやらしさはなく、日常の描写もなんだか心地よく、どっぷりはいりこんでしまった。 と、緑の首輪(鈴つき)をつけた黒猫がぼくの前を横切った。 独り言をいっぱいいっていて、うんとかわいいやつ。 ぼくはなんとか仲良くなって背中をなでさせてもらいたくてがんばったんだけど、ある距離からは近寄らせてもらえず、さいごは神社の柵の中に逃げられてしまって断念。 丁度いいきっかけになったので家に戻る。 少ししてみちひろおじちゃんとふっこおばちゃんが登場。 ふっこおばちゃんは公一さんの実の妹。 みちひろおじちゃんは旦那様。 みちひろおじちゃんは立派なもみあげをした二癖もある「できる」感じの人で、ぼくは最初から好印象をもっている。 なにやら船の免許も飛行機の免許ももっているらしく、前はこの家にハーレーにサイドカーで登場したりしていたそうだ。 で、ちょっとの間だけどお茶をのんで一緒にお話した。 ふたりが帰る間際、ぼくが一生懸命うんこをしていると、ふっこおばちゃんがガチャリとはいってきてしまった。 ぼくがうっかりカギをかけ忘れたのだ。 昔、天童の何かのイベントで、トイレのドアを開けたら女子高校生がおしっこしていたのを思い出した。 ああいうときって意外と「きゃー! バタン!」とかいう感じじゃなくて、「あら? ぽっ。 パタン。」てぐらいなのね。  お二人を見送ってしばらくして、ぼくたちも出発。 山ほどお土産をもらってしまった。 これからいくぼくの実家にまで野菜だのイチゴだのたらふくもらってしまった。 どうもありがとうございます。

1時間ほどで米沢到着。 居間にばーちゃんがひとりでいたので、ぼくらまずばーちゃんのところに御挨拶。 で、みんな具合悪くてこまったこまったなんて話をしていたら、外にひろちゃんが歩いている。 ひろちゃんはいとちゃん(おかーちゃん)の妹で、たまたま通りかかったらぼくの車をみつけて、さぽとひさびさに会えるとおもってわざわざUターンしてきてくれたみたい。 家に病気のオーラが満ちているから病気を招くんだなんて話てるところに、いつもにこにこのひろちゃんが元気に登場したもんだから、ばーちゃんは「元気の神様」が元気をはこんでくれたとすごく喜んだ。 しかしひろちゃんも実はあちこちひどいのよー、なんて話をしてたらあっちの家からいとちゃん登場。 気配はするのにいつまでもぼくらが現れないもんでしびれをきらしてきてみたらひろちゃんまでいてびっくりといった感じ。 少ししてひろちゃんはダーリンが帰ってきちゃうといって帰った。 さぽといとちゃんはキッチンで夕飯の準備をしながらおしゃべり。 ぼくは韓国人の暴露本(大阪のおじちゃんが入院してるじーちゃん宛に送ってくれた本で、日本人の朝鮮併合は、実は言われているようなひどいことばかりではなく、その恩恵も大きかったのだといった内容)を読みながらばーちゃんとおしゃべり。 で、夕飯の時間になって、おとーちゃんも登場して、みんなでいただきます。 ニンニクたっぷりの餃子(これがうまい!が女性陣にはいまいち不評)と、銀たらのミソ漬け(これまたうまい!さぽ大絶賛!)、それにおとーちゃんが買っておいてくれた赤にカマンベールで今日も宴会。 ばーちゃんもワインをいっぱい。 昨日のワインもうまかったが、これもかなりうまい。 どちらもメルロー。 2日連続で新しい「当たり」に出会うのも珍しい。 まぁどっちもいつもぼくらが飲むのより高いからアレなんだけど…  みんな本調子ではないのであまり飲み過ぎないうちに切り上げ、9時30くらいでぼくらふたりは床についた。 さっきの韓国本を読みながら寝たんだけど、韓国の反日感情は戦後のアメリカの歪曲した歴史教育によるものだなんて話がでてきて、またしてもアメリカかよ、なんて憤りながら眠ることになってしまった。 この本ちゃんと読みたいなぁ。

2003-05-03-SAT

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