No.272 フロムタワー

起きるとすでにさぽはいない。 時計をみると午前9時。 そんなに寝過ごしたわけでもなくほっとする。 昨日は「動」の1日だったので、今日は「静」にあてる。 午後から来るはずだった通販のCDが午前中に2枚届き、ほんとはじっくりギターを弾くはずだったのが、じっくり2時間音楽鑑賞に予定変更。 カエターノの息子、モレーノ・ヴェローゾの1stと、エスビョルン・スヴェンソン・トリオの1st。 どちらも世の中的に相当評判がよく、その期待はかなりでかかったのだが、期待を上まる出来にぼく驚愕。 いい! モレーノはかなり地に足着いたアコースティックなブラジル音楽を基調に、音響めいた施しが随所になされていて、なんとよんでいいか分からないがとにかく「新しいモノ」だった。 ガットギターでボッサのリズムを刻んでいるだけのシンプルな曲とおもいきや、かなり尖った上モノが次々にかぶさってきて、最後はかなり異質なものになって終わったりと、とにかく楽しい! ちなみに全編完全な「歌モノ」。 しかもかなり聴き応えのある「歌モノ」。 

エスビョルン・スヴェンソン・トリオはすでに1枚(本人らが3部作という3枚のうちの1枚)を先週「昭和」で購入して、完全に惚れて、で、今回最新作を購入。 スウェーデンのピアノトリオなんだけど、最近の北欧ジャズはどうなってんだ?? とにかくかっこいい!! ちょっと前までの北欧ジャズのイメージって、どうもいやらしいというか軽いというか、オサレ臭いというか、なんとも鼻について気恥ずかしい感じがあって、たいそう評判のいい人でも試聴の段階で「こりゃ聴けん」てのがほとんどだったんだけど、どうも最近立て続けに当たる。 特にこのe.s.t、軽くない。 エレクトリックな処理をかなりやってはいるんだけど、それがしっかり音楽を「いい方向」にもってってるの。 最初、どうしてもピアノトリオというとラファロ在籍のビルのトリオを求めちゃって、そこが基準なもんだから、その未来系のオーバーダブとかが嫌だなぁ、とおもって聴いてたんだけど、それはぼくのガチガチ頭のアホくさい偏見で、これはやるべくして成されている最良のエフェクトだということが次第に飲み込めてきた。 別に完全にアコースティックな質感こそが「良質」なピアノトリオの条件ということではない、というのがようやく体でわかった。 なんか、この人らの音って根底にすごくしっかりした「クラシック」が横たわっていて、その地に足ついた安心感からか、聴けば聴くほど始め嫌味に聞こえたデジタルな処理が受け入れられるようになっていく。 しっかりと、全体としてレベルが高く、小手先のオサレ感、ミライ感を印象づけるための技に終わっていない。 この古さと新しさの妙な融合はありそうでなかった絶妙な質感で、おそらくこのくらい高いレベル(演奏も楽曲も)でなければここまでちゃんと消化できないものなので、今までなかなか出てこなかったんだろーな。 これをやろうとしてできなくてダサイことになってた人らのをぼくは聴いて、オサレ臭せーと一蹴してたんだわ。 ついに出た!  で、跳ねない曲はほんとになんというかある種の「格調」があって、どうもドビュッシーを感じる。 しっとりと尖ってて、文学を感じる。 いや、跳ねる曲にもなにかうれしい「品格」があるなぁ。 なんだろ?この感じ。 とにかくツボ。

今日はほんとになんにも無かったのでCD評だけになっちった。 なにせ1日中パジャマ着てたもんね。

2003-05-18-SUN

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