No.279 夢の3日間終了

中目黒の渡部宅でむかえる朝。 結構飲んだはずなんだけど、最後に酔いをさましてから寝たもんだからまったく酒が残ってない。 すこぶる快調。 カズ以外は気持ちよく目覚め、お風呂にはいってさっぱり。 ヤマは朝一で山梨へ帰った。今度会うときはカズの結婚式かしら? どうもお世話になりました。 さて送れる荷物は送っちゃおうと、さぽと近くのコンビニにいって宅急便で送る。 小腹がすいたのでとろろそばを買って帰った。 カズも起きて風呂にはいり、お昼はユキエのバイト先のオーガニックカフェに行くことにした。 テーブルの上に「動物のお医者さん」がおいてあり、懐かしく読む。 さぽに猫の登場シーンを見せるとのってきて、文庫で揃えようと盛り上がる。 前からさぽも気にしてて、ぼくもさぽは絶対好きだからとおしてて、で、この機会にってんで近くのブックオフに歩いてでかける。 が、残念ながら「動物のお医者さん」は文庫どころかコミックスも売っておらず、偶然見つけた「コジコジ」の一巻を買って帰る。 「コジコジ」は3年位前からぼくが読みたくて読みたくてしょうがなかった漫画で、どんなものかといったら、さくらももこが大衆への配慮を欠いた本気モノ。 かなりやっちゃってて、それがうまいこといってると一部で大評判だったの。 アパートに戻り、みんなの支度ができるまでさっそく読んでみる。 おもしろい! つーか、まさにぼくがやろうとしていたやりくちそのもので、本気でびびった。 ちょっと前の日記で、今年は漫画でもなんでもとにかくキャラクターをつかった単発でない「物語」をやってみたいと書いたんだけど、まさに頭に思い描いていたモノがこの「コジコジ」に酷似していたのだ。 さくらももこがここまでやっちゃう人だったことが以外だったが、やはりマジョの心もつかもうとおもえばつかめる真の実力者は、とんがりっぱなしに見せてもなんか地に足ついた感じがあって、読んでいてしっかりとした安心感がある。 これだ! この質感だ! さっそく山形に帰ったら、盗作「ホジホジ」の構想を練らなくちゃ。

お昼前、中目黒駅をおりた4人、ちょっと歩いた先の輸入食材屋さんへ。 ぼくとさぽはちょっと気になってしまったオリーブオイルと紅茶を購入。 で、12時になったのでうわさのオーガニックカフェへ。 中に入るとイームズの椅子がこれでもかと並び、シルクのオシャレポスターが壁を埋め尽くし、イパネマの娘が大音量で流れていた。 期待どおりのキッチュさに心はウキウキ学生気分。 客層もデザイン系のミーハー若者ばかり。 なんか非常に楽しい。 で、ぼくはホットミルクとチキンカレーをたのんだ。 ホットミルクはモコモコの泡でおおわれてて、泡をズビズビ楽しんでたら急にあっついミルクが流れ込んできて舌を火傷してしまった。 さぽもユキエも同じくホットミルクで火傷していた。 砂糖をふたついれたらものすごく美味しかった。 チキンカレーは手羽先のホロホロになったやつがふたつ入ってて、米はタイ米。 これもかなり美味しかった。 さぽがたのんだパンやらイモやらがはいった不思議なオムレツみたいなやつも美味しかった。 と、ここまで書いたところで大地震発生!!! いまだかつて体験したことのない揺れ!! 震度5!! 本気で死ぬかと思った。 いまは落ち着いたんだけど、またいつ来るともわからないもんだから怖くてしょうがない。 トラックの揺れでひやっとする。 だのでさっさと書いて家に帰ります。 ボロ鉄筋の2階だから逃げ遅れると大変。

お昼を食べ、大満足で近くのボタン屋さんにいき、さぽはなにやらボタングッズを人揃え買い込み、で、山手線。 カズとユキエは有楽町でおり、でっかい無印へ。 うちらは東京駅へいくのでここでバイバイ。 どうもお世話になりました。 で、東京駅の懐かしの(新婚旅行の帰りにも世話になった)本屋で「日本語の乱れ」という清水義範のやたら面白そうな短編集を買って、時間が来たのでホームへ降りる。 もう足が痛くてしゃがんでられず、立つとこんどは背中が痛くて、はやく椅子にかけたくてしょうがなかった。 やっと新幹線に乗れてほっとする。 ぼくはさっき買った本を読んで、さぽはさっきのボタン屋で買ったチェーンとなにかを組み合わせてネックレスを作り始めた。 そのうちうんと眠くなったので、ぼくとしては珍しく移動中の睡眠。 福島あたりで目が覚め、鈍行新幹線の車中でぼんやり過ごし、6時半に山形に到着。 体がいたくて家まで重い荷物を持って歩いて帰るのはしんどいと思っていたけど、バスがないなーなんてウロウロしてるうちに結構回復してきちゃって、結局ふたり、歩いて家まで帰った。 途中、おいしいとさぽが誰かからおしえてもらったラーメン屋に寄り、ぼくはつけ麺、さぽは塩ラーメンを頼んだ。 これがびっくりの旨さなの!! こんな美味しいつけ麺初めて食べた。 酢のすっぱさに辛みその辛さ、旨味、醤油の塩気、旨味、何かの旨味、旨味、やばい! なんでいままでここを知らなかったんだろう。 昨日の今日ですでに同じモノを食べたくて仕方がない。 七日町の山銀のウラの、昔「山頭火」を名乗ってたとこ。 やばい。

家にかえって、最後の力を振り絞り、1日分だけ日記を書く。 で、力つきて寝た。  (ところでさっきから余震が断続的にあってかなりこわい。)

2003-05-25-SUN

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