No.342 茄子

予定通り午後から「茄子 アンダルシアの夏」を見に行く。 上映一時間ほど前についたので、チケットを買って、時間つぶしに最上階にいってみる。 前にも一度来たことがあるのだが、ここの「空中回廊」だかいう山形を見渡せる最上階の外周、せっかくこんな高層ビルで山形の中心にあって、さぞ見晴らしがいいだろうに、ちっちゃい窓がぽつ、ぽつと離れてついているだけで、よほど窓に顔を近づけてようやく視野がひらけるという、ものすごくもったいない使い方なの。 けして「見渡せる」なんて呼べるものではない。 もっとなんとかならなかったのかしら? 期待値がでかいだけに、失望の印象がしっかり残ってしまい、霞城セントラルそのものの印象にも結びつくよ、これは。 大げさでなく。  で、まだ時間があったので「マリオンクレープ」でクレープを食べる。 これ、さぽが前々からマズイマズイいっていて、どんだけまずいか一度食べてみたかった。 さぽも確認の意味でたのんだ。 じつは前に食べたときはさぽの体調が最悪で美味しくなかったってなこともあるかも知れない。 で、食べた結果、ちゃんとまずかった。 これで「花の種(ここのはとっても美味しい)」より高いってんだから、世の中おっかねー。 さっきのコリドーしかり、空間が歪んでるスポット満載だな、ここは。

「茄子 アンダルシアの夏」には意外なことに親子で見に来てるパーティーが多くて驚いた。 こんな50分くらいの、しかも黒田硫黄原作のカルトくさい良作に、こういう客層はほんとに意外だった。 さぽにいわせれば「アニメってだけで子供はくる」のだそうだ。 まぁ正確にいえば「アニメってだけで親が連れてきちゃう」んだろう。 昔「エヴァンゲリオン」の劇場版をみにいった時のことを思い出した。 多分親は何も知らず、「ロボットアニメ」の劇場版てことで親子でみにきたんだろうが、はっきりいってその内容は大学生の、しかもなかでも屈折した方のぼくたちでさえ目を覆いたくなるようなもので、一体あの幸せそうな家族たちはどんな顔してどんな気持ちでいま、この不条理な殺戮シーンを、この歪んだオナニーシーンを、この絶望的終局を見ているんだろうと心配でしょうがなかった。 案の定、見終わった子供連れはほとんどが顔面蒼白、魂を抜かれたような顔で、何一つ言葉を交わしていない、あるいは「なにもなかった」フリをしているような、不自然な明るさかのどちらかだった。 痛々しかった。  まぁ今回はそういう暗さはいっさいない、微分すればすごく噛み応えのある情緒がちりばめられてる、といったタイプのものなので、その点は安心。 ただ不安なのは子供が「飽きないかどうか」である。    で、案の定、前のガキが飽きやがった。 しゃべるんだ。 で、そのうち携帯電話(多分おかんの)の画面つけてなにかしはじめるんだ。 暗いからうるせーんだ、そのちっちゃい四角が。 こっちはほんとにたのしく、ガンガンひきこまれて見てて乗りに乗ってるときだったからむかつくんだ、これが。  後ろからイスを蹴ってやろうか随分迷ったけど、その出来事のせいでこの素敵な作品がそのガキにとって「嫌な思い出」になるのがたまらなく嫌だったので、自分の肉をちぎって我慢した。  しかしさ、親、ちゃんと叱れよ。 ちょっと注意して、あとは注意したことに満足して、なにひとつ子供の態度改善されてないのにあとはしらんぷり。 で、迷惑レベルが上がるとまたちょっと注意して、と、そのくり返し。 親子そろって馬鹿か?

映画はそんな障害もふきとばすくらい、面白かった。 自転車レースの「面白み」をこんなにうまく見せれたことがまずスゴイ! ぼくもさぽも、かなり自転車レースに興味をもった。 で、「牛」が最高!!!  あーいうのうまいなー。  ぞっとするなー。  あと最後の実験的なやり口もかっこよかったなー。  いわないけど、いろいろ見所満載よ。 ベースの話は「軽い」んだけど、べつに重いからいいってことでもないしね。

夕方、ひさしぶりにさぽとお散歩した。 ジョアンと奥さんの歌う「イザウラ」をずーっとハモりながら歩いてたら、緑町2丁目を2周するころにはふたりかなり上手になり、ポルトガル語の歌詞もほぼカンペキに身に付いた。 Aメロだけだけど。  今日は近くで夏祭りをやっていて、メインのカラオケ大会の音がとても「夏休み」ぽくて気持ちいい。 ちょっと近くまでいってみると、子供の声とか祭りの雰囲気がほんとにすてきで、メロメロに。  家に帰りそーめんをたべると、なんだか無性にビールが飲みたくなって、さっきの映画ででていた自転車のチームのスポンサーの「パオパオビール(企画ものとして実際にローソンで限定販売してる)」がどうしても飲みたくて、我慢できずローソンにいったんだけど、残念売ってない。 仕方ないのでかわりの酒を買って帰る。  軽く晩酌、夜遊び、明日をおもってゾッとして、寝る。  でもやっぱり単休のほうが充実するなー。 皮肉な話だ。

2003-07-27-SUN

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