No.371 最悪の朝

もう穴だらけで全然はなしがつながらなくてむかつく。  しかしめげずにかくぞ。  昨日からまた東京にきてるんだけど、今日は空自の撮影で朝7時半まで埼玉の入間基地の正門までひとりでいかなくちゃいけない。 最寄りの駅は「狭山市」駅で、そこに7時前には着きたいから、つまり逆算すると4時半おき。 4・時・半・お・き。  はぁ…  5時くらいの電車で大崎から高田馬場、そこから西部新宿線で狭山市まで50分弱。 はやめはやめで6時半くらいに到着。 駅前のAMPMで地図を見て、正門の位置を大体確認して、朝ご飯をかって歩いていってみることにした。 まぁ1キロちょっとくらいだろうからお散歩にちょうどいい。  基地の有刺鉄線柵沿いに歩けばそのうち着くだろうとおもって歩き続ける。 が、いってもいっても正門は現れず、そのうち道なりに柵からはなれていってしまい、自分がどこにいるのかもよくわからなくなってきた。 時間はまだあるが、不安になったぼくは近くにいた犬好きのおっちゃんに正門はどこですかと聞いてみた。 すると、まるで反対にきちゃったねーと教えられ、ほんとはどうも駅からでてぼくがきた方向とは逆に行くらしかった。 しかし地図からしたら逆ってことはありえず、逆にいくと反対側の以前ぼくがそこからでた、「なんとか駅」近くの門(感覚的に裏門だとおもってた)の方にいっちゃうはずなんだけど、おかしいなぁ。 しかしはっきりそう教えられたからには急いでそっちに向かうしかない。 お礼をいって歩き出すと、急に雨が降り出した。 最悪。 傘をもってないぼくはずぶぬれになり、なんだか気持ちもどんどん不安になってきた。 しばらく歩くが、どうもさっき聞いた道順がはっきりしなくなってきて、基準になる駅の方向もわからない。 まずい。 雨はどんどん激しくなり、頭も靴もびちょびちょ。 救いのコンビニを見つけ、駆け込み、タオルと傘をかってほっとする。 レジのクセのあるおっちゃんに道を聞くと、こっちは全然ちがうという。 ここからじゃ歩いたら40分はかかると。 それはやばい。 せっかく1時間まえに最寄り駅についたのに、これじゃ確実に遅刻だ。 おじちゃんから狭山市駅から出ているバスに乗れば正門前までいくからそれが一番いいと教えてもらい、まっすぐいけば着くという駅を目指す。 が、どうもはっきりしない分かれ道。 今自分がいる大きい道から、左にはずれる小道があり、方向としては小道のほうが「まっすぐ」ぽいことはまっすぐぽいんだけど、この道にはいるんなら普通は「小道にはいる」と説明するはずで、一般的にあの言い方で「まっすぐ」といったらこの道をまっすぐということだろうと判断し、大きい道を進むことにした。     が、ハズレ。    いけどもいけども駅の気配はせず、それどころかどんどん街の気配もなくなってきて、時間をみたら7時10分。 かなりまずい。 どうしよう。 もう消えてなくなりたいくらい最悪の展開。 素直に駅からタクシーをつかえばよかった、と悔やんでもはじまらない。 とにかくなにかきっかけがあるまでこの道を進むしかない。 と、カーブを曲がりきるとそこにバス停が現れた。 行き先は、例の裏手の門に近い「なんとか駅」。 バスをまっていたおじちゃんに聞いてみると、これがさっき聞いた駅からでてる「正門」いきのバスなのだという。 ぼくは「あれは正門ではない」とうっすら思いながらも、みんながみんなあれが「正門」だというから、よくわからなくなってきた。 しかしもはやこれにかけるしかないぼくは、バスを待つことに。 しばらくしてバスが到着。 時間はすでに7時26分。 完全に遅刻決定。 例のなんとか駅前のバス停(終点)でおり、歩いてすぐのところの門にむかう。 その途中に岩尾さんから電話。 「いまどこにいる?」との問いに「なんとか駅の方の門です」と答えると、「ああ、そっちか。 じゃあいまからそっちに向かいます」と。 やっぱり待ち合わせの正門はこっちではなかった。 民間の人は自分がよくみかける門こそ「正門」だとおもってるわけで、自衛隊の正式な「正門」なんていう事情はしったこっちゃないんだ。 そりゃそうだ。  しかし5分ほど遅れたけど一応別の「門」にはついてたってことで、なんとなくそれほど「遅刻」した感じにはならなかったからよかった。 頑なに「正門」をめざしてたら5分どころじゃすまなかった。  朝からこんな最悪なおもいをして、撮影ははじまったわけだけども、もう今日のぼくの印象はこの朝の1時間のこれでしかない。 ほんとに冗談じゃないくらい嫌な時間だった。  撮影をおえて帰るときも、これからの日程とか自分がかんがえてなきゃいけないこととか、その合間にこなさなきゃいけない車検だの免許書き換えだの、いろいろな義務を思うと頭の血の気がきゅーーーーんとひく感じがして、ひどい目眩に襲われた。  このまま脳味噌がどうにかなっちゃうんじゃないかってぐらい頭の血管がじょわじょわいってきて、次第に目も光が採れなくなってきた。 普段たのしんで通る駅の通路とかもまったくはいってこず、荷物をとりに帰った大崎の御殿山の緑溢れる公園さえ楽しめず、帰りの新幹線で勉強した詰め碁も、わからないことへのあせりだけが強調され、なんだかすべてがつらい方向にひっぱられていく。 はやく抜け出したい。 はやく日常に戻りたい。 せっかく家でさぽとミミとゆっくりしてても、これは一瞬だけの安らぎで、こっちに意識レベルをシフトしちゃうと、あっちにもどったときに地獄のようなギャップを感じることになることを思うと、どうしても100%休めず、やはりそうとう気をはってなきゃいけなくて、きつい。 

2003-09-04-THU

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送