No.402 めんちょす船長ピンチ

工場勤務もだいぶ慣れてきて、となりの植松さんやうしろの矢作くんやそのとなりのなほちゃんや遠くからよくくる池田くんなんかともだんだん仲良くなってきた。 特に植松さん(女の人)は誰にでも正論をガンガン全部いっちゃうタイプで、それ故組織内で社会的立場を飛び越えて「強い」立場になっちゃうような感じの人で、適当に肩書きだけでだらしなくいけてる人にはこれほど恐ろしいものはないが、歯に絹きせぬ嘘のない人格が長期的には絶対的信頼を得るというあれで、ぼくも完全に同じタイプなので、お互いに似たものを感じ、あって一週間なのにとても仲良くなった。 でも今日でこっちに出社するのは最後なので、せっかく慣れてきたところなのにもうほとんどここの人たちと接する機会はなくなってしまう。 なんだかとても残念だ。 日常にもどれるのはうれしいけど、せっかく仲良しになった人たちとの別れはさみしい。

めんちょがやっと治ってきたとおもったら、なんと反対側にも出来てきた。 初期症状の、奥の方のひどい圧痛。 片方だけでもそうとうみっともないのに、両方こんな赤くおおきく腫れてしまったら、おそらくふたつの玉がつながってひとつの大きな玉みたいな印象になって、これではぼくをみておもしろくて笑いたいのに笑えない人が気の毒だ。 ぼくはこういうMッ気は結構本格的に成熟しているので、痛いの抜きにすればどんだけみっともないことになってもぼく自身はあまり「嫌」ではないんだけど、これを見て大変なおもいをする微妙にとおい関係の、しかし接する人がほんとうに気の毒で気の毒で、なんとか治さなきゃと真剣におもいはじめた。 で、調べてみてびっくり。 顔の中心のめんちょは死ぬかもしれないから危ないと、噂ではきいてたけど、ほんとにほっとくと死ぬんだそうだ。 脳なんとか炎だかになって。 つまり、せつ(おでき)ってのは皮膚の中に菌がはいって膿んでしまったものらしいんだけど、なかでも顔にできるせつのことを「面疔(めんちょう)」というのだそうで、鼻にできた面疔がなかなか治らないと、どんどん根が深くなってって、顔の奥の方にある「顔面静脈」まで菌が達してしまい、静脈をとおって脳まではいっていってしまって、で、死んでしまうんだそうだ。 今は抗生物質かなんかで治せるそうだけど、それって医者にいかなきゃ現代だって死んでしまうわけで、ものが「おでき」だから誰もそんなことは想像もしないんだから、実は結構死んでるんじゃないかしら? 2週間面疔が治らなかったら必ず医者にいかなきゃいけないらしく、ぼくはすでに3週間治らない。 それどころか二つ目ができてしまった。 面疔でしんだらそれはそれで比類無きかっこいい情けなさでたまらなく素敵は素敵なんだけど、マジョにはその素敵さがわからないだろうから残されたさぽがかわいそうなので、早急に医者にいかないと。 めんちょす船長、とりあえず帰ったらすぐに蒸しタオルで鼻をあっためて、膿の表面化を促進しないと。 これが個人でできる最大の努力。  

2003-10-04-SAT

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