No.480 ギターがうんっとおもせがった

ちょっと飲み過ぎてしまった。 二日酔いで体に力がはいらない上に風邪をぶりかえして筋肉痛がひどい。 だもんでしゃっきりしたくて昼からお風呂にはいった。 外は雪がうすく積もっていて、天気は悪くはない。 空は白いけど晴れの雰囲気は十分ある気持ちのいい景色。 お風呂のあったかさと、そとの空気のシャキっとした冷たさと、冷たいけどやわらかいような光とがとても大きな幸福になってぼくの中で一気にふくれあがった。 お風呂にはいって大正解だった。 こんなに心身ともに気持ちのいいお風呂はひさしぶりだ。  おかげで一日がとても快適に過ごせた。 今日は何に重点をおこうかと迷ったが、お風呂上がりにちらっと弾いてみて、なんだかいつもより気持ちいいなと感じたギターに決めた。 先週弦を交換してからなんだかすごく気持ちよく弾ける。 恥ずかしながら買ってから1年3ヶ月、一度も弦交換していなかったのを換えたんだからまあ普通に良くなって当然なんだけど、今回から若干細い弦にしたのがなによりでかい。 デフォルトで張ってあった弦はあまりに太く、堅く、フルアコ初体験のぼくは「こういうもんなんだろう」とおもってそこはあきらめていたんだけど、ちょっと細くしただけで劇的に気持ちよさがました。 もっとはやく試してみるべきだった。  以前買って挑戦して、あまりにむずかしくて放っておいた「ジャズギターの金字塔」という本を引っ張り出してきて、もう一度コードから勉強し直した。 苦手な形のコードボイシング(例えば同じ【Cm7 11】でも、どの弦を使ってどのフレット中心で構成するかで様々なバリエーションがあり、聞こえ方の印象はがらりと変わるし、曲の進行上自然な流れで指を移行するにはいろんな場所のいろんな形を身につけてるにこしたことはない)や、あまりなじみのないコード(【6】とか【69】とか【-9 -13】とかは実はまだ身についていなかった)を見直して、とにかくまずストックを増やすことを目標にがんばった。 ところでスケール練習や指板理解、それにキリンジスコアやくるりスコアで無意識的に覚えてた名前も気にしてなかったコードの体暗記といった、普段なにげなくやってたギター遊びのおかげで、以前不可能だとおもってた指の形にあまり抵抗を感じなくなっていたのには驚いた。 身体的成長というよりも、「考え方」ひとつで、なぜか不可能だった指の動き・形が可能になる。 理屈がわかってると、なぜだか指がいうことをきくもんなのだ。 不思議。 でもスポーツがうまくなるのも、ある筋肉が発達したとかよりも、「考え方」のコツをつかんだということのほうが大きいか、そういえば。 指のストレッチとか部分的な筋トレとかは、「考え方」だけではおっつかなくなったときにやることだもんな。 いや、同時成長か?  とにかく、頭で完全に理解できたことってのはだいたい体で実行できるもんなのだ。 逆にいったらわかんないことが残ってる段階でゴリ押しでいくのはもったいないというか面白さが半減してしまう上に挫折する可能性が高い。 めんどくさがらずに「準備」をじっくり納得いくまでやることが、なにをするにもより深く、より長く楽しむコツだとおもう。 段取り八割ってのはすばらしい言葉だ。  コードを形で丸暗記するのではなく、常にスケールとの関係を確認して、ルートとの相対的な位置関係を意識して覚えることで、コードそのものが完全に頭に定着して、かつ全キーで応用がきくようになるだけでなく、スケールの理解もいっそう深まるもんだから、もうたのしくってしかたない! はじめは「ギターってのはなんて音の位置がわかりづらいんだろう」とおもっていたけど、最近「ピアノよりも実は全体の音が体系的に把握できるんではないか?」とさえ思えてきた。 ギターの音の配置のシステムってのはほんとにすごい! よくできてる。 おもしろい。 今日学んだことというのはページにしたら見開き1ページに過ぎないんだけど、そこにはいまのぼくにとって宝ものとも呼べる素晴らしい情報がぎっしりとつまっていた。 同じ情報も見るタイミングによってまったくその価値が変わってくるからおもしろい。 だから間違いなくすばらしいとされている「モノ」(大好きな作家が面白いといってる作家の作品とかそういう)ってのは背伸びしてでも手に入れておいた方がいい、と最近つくづくおもう。 そのときピンとこなかったりわからなかったりして無駄になったようでも、あとから絶対役にたつ。 そういうことがすごく多い。  いやー、今日はギターがうんと楽しかった。 こうなるとやっぱりアンプ欲しいなー。 がんばっちゃうかなー。 3ヶ月節制。

2003-12-21-SUN

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