No.486 年末の最高の夜

ついに、ついに、長かった今年の戦いがおわった。 やった。 やっと。 ほんとにうれしい。 つかれた。 やった。 今日は仕事してても心も体も休みみたいなもんで、もううわついてうわついて、午後からは12平均率の求め方で頭がいっぱいで、そうなると自分の数学力の低下が痛くて、これは高校数学の教科書でもういっかいやり直す必要があるななんてよだれをたらしているうちに年末大掃除がはじまり、窓ふきしながらも「なんでA音に対するオクターブ上のA音の周波数が2倍だからってその間を12個に平均的にわけるときにとなりあう増加量がべき乗に増えていく関係ということになるんだ?」ということが気になって気になって、窓ふき後も気になって気になって、そうこうしてるうちに内輪忘年会の時間が近付き、さっくりと家に帰る。

家から七日町の飲み屋街は歩いてもいける距離なので、いったん家に帰り、ミミにごはんをくれて、あったかい格好に着替えて家をでる。 今日は雪がモサモサ降ったわりにそれほど寒くも無く、適度にぴりりとした夜の年末の街の空気は気持ちがいい。 この年末の独特の雰囲気もたまらなく気持ちがいい。 街が街らしくなってきたあたりから、なにかを焼くうまそうな匂いがしてきて、さらにこれでもかとぼくの気持ちを煽る。 これから年末年始の8連休が始まるというこの夜、おそらく1年中で最も大きな開放感を感じているであろうこの夜、ぼくがどれほどきもちよくなっちゃってるか、想像できるでしょうか。 歩いてるだけで天にも昇るようなこの気持ちがわかっていただけるでしょうか。 もう全身が果てしないうれしさでいっぱいなのです。 ひゃー。 や、もういいや。 忘年会がどーだったとか詳しく書いてもしょーがない。 もちろん楽しかったにきまってる。 酒を飲んで楽しく話して最高だったさ。 忘年会そのものがというよりも家に帰るときにまた歩いて帰ったんだけどそれも全部ふくめてもう夢のように楽しかったのさ。 公一さんが使ってた手袋をさぽが何年か前に盗んできて、赤と青で細かい模様が編んであるうんとかわいくてすごく気持ちのいい大きさのその手袋をぼくは大好きで大好きで、このジャケットとこのウインドブレーカーにしか合わせないんだと自分の中で決めてて、今日はそのジャケットの方に今年始めて手袋を合わせたもんだからもうすごく嬉しくて、こんな楽しい夜にこの大好きな格好で歩いていることが幸せでしょうがない。 この夜中のピキリとした寒さをこのジャケットとこの手袋はちょうどいいだけおさえてくれていて、普段は両手を外にだして前後にふって歩くという普通のことにも多少違和感を感じてしまい、腕をどうしていいかよくわからないぼくも、この組み合わせのときは腕を外にだしててもちっとも気にならず、いきなり飛躍するようだけど、自分と地球と、その形、タイミング共にとても折り合いがついているのがすごく良く分かり、しっかりと、しなやかに、正しく存在できているような気がして、なにか根拠はわからないがむちゃくちゃうれしくなる。 こんな寒い雪の中、こんな夜中、普通ならはやくあったかい家に着きたいようなもんだけど、あまりの気持ちよさにいつまでもこの夜中のこの冬の中を、でかい手を降ってざくざくと歩いていたかった。 

2003-12-27-SAT

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