No.512 石倉昇 九段

石倉昇九段の解説がとてもわかりやすいというのでネットで調べてみたら、どうもほんとにわかりやすそうで、というのもこの人、元学生本因坊で、東大法学部卒業後、日本興業銀行を経て、ほんでいまや九段というとんでもない人で、NHKの囲碁講座でも好評で、初級〜上級向けの教室もやってて、誰よりも初心者が「何がわからないか」「何がわかれば強くなるか」を身をもってわかってるひとで、教え魔で(妄想)、システマチックなことが大好きで(妄想)、この世のすべての人間を有段者にするという野望をもっていて(妄想)、こんなに先生に向いてる人他にいるか! 他にいるのか! ということで、ぼくはこの石倉さんに直接囲碁を教わりたいので来週東京に引っ越すことに決めました。 渋谷東急プラザで教室をしているらしいのでそのあたりに部屋を借ります。 というくらいのつもりで、「ひとりで強くなる囲碁入門」という本(神がかり的に作りがださい!!)を八文字屋から買ってきました。 入門だもんで、もうさすがにわかりきったことが半分以上しめているんだけど、しかしそれらを飛ばさずに、あらためて一から石倉さんの考え方でもって学習しなおすことにしました。 同じことを説明していても、人によって着目する視線や重要視するポイントや伝える言葉、表現がまるで異なり、肌があわない人の言葉だと簡単なことも永遠に理解できないということが教則本には良くある。 この石倉さんは「はじめに」の文章からとても信頼できる、波長のなじむ人だとわかった。 知りたいのに他の本ではふれてくれないことがよくある「かゆいところ」を、この人は痛い痛いいってるのに徹底的にかきむしってくれる。 この人の囲碁観に血だらけでのっかろう。 すべてをあずけてすっかりのっかろう

で、この本は9路盤からはじまり、13路、19路と、模範的一局をとおしてすべての手をこと細かに解説してくれるという方法論をとっているのだが、これがとてもいい! こういう時どういう考え方をしたらいいんだろうといつもわからなかったことが、ピンポイントで次々に解説されていく。 これこれ! 気持ちいい! ポイントとなる考え方、例えば「相手がはなしてうったら自分もはなしてうって、くっつけてきたらノビかハネ」といったことを力強くいいきってくれるからとても頼もしい! 初心者にいろんな可能性をすべてつめこんでも混乱するばかりなので、こういう風にほとんどの場合通用するようなことは思い切り言い切ってくれるのがとても助かる。 しばらくはこれを信じて打つことで知らず知らずに悪手を打たなくなり、打っていくうちに例外もあるなと自分で感じてバランス感覚を身につけていくというのが、覚える上でもっとも楽しく、もっとも上達への近道だとおもう。   夜、ひさしぶりに碁盤と碁石をだして実際に打ちながら13路の一局を分析・勉強してみたんだけど、これがおもしろい。 入門用としてぼくがずっとやってきた9路盤というのは、狭くて全体を把握しやすくて簡単でありながら、一方で「辺」「隅」が近すぎて区別がないためにかえって混乱して、場合によってはやたら複雑になるという面ももっていて、かつ、囲碁の本当の醍醐味である「こっちはお前にやるからこっちはおれの土地ね」という譲りあいの駆け引きがないという致命的な問題も抱えていて、やはり究極は本来の19路でやってこそ真の面白さを味わえるのだとここにきて確信できた。 しかも、大きくなればなるほどどんどん複雑になって、べき乗で手に負えなくなると勝手に考えていたのがちょっと違って、大きいなりにある面では構造が分かりやすくなってスッキリ打ちやすいということにも気がつき、これは早急に13路に移行せねばとおもったのです。 ちょっと誤解していました。  もうひとつ、「眼」という概念をしっかり完璧に理解してから次に進もうと考えていて、9路でもいまだによく死活がわからないことがあるぼくはよほど才能がないんだろうなと思っていたんだけど、なんと欠け目(死活に大きくかかわる)がちゃんと理解できてくるのは実は「5級」くらいからの人が多いという信じがたいことがこの本には書いてあって、どうもぼくは進め方を根本的に間違っていたみたいでした。 説明書をそらでいえるようになってからゲームのスイッチを入れるみたいな馬鹿げた縛りを好きこのんでやってたみたいです。  いやー、いい人みつけたー。  この人きっかけになっていろいろ見えてきたー。

2004-01-22-THU

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