No.537 ミランダの舟の形の穴

「時々ぼくは宇宙を裏返して考える」と彼は続けた、「つまりぼくのお腹の真中、それこそ内蔵の中心を宇宙の中心として、全体をひっくりかえすんだ。 そうすると、この世界はぼくの皮膚によってくるまれた球状の空間で、皮膚は無論内側が表になる。 きみもこの島も太平洋も地球も太陽系も、最遠点まで含めた宇宙全体がこの球状の空間に入っている。 遠い宇宙の果はこの球の中心になる。 きみは、ミランダ、ぼくに一番近いから、この球に寝そべっているんだ。 だからきみの肌はぼくに触れている。 そしてこの皮膚の外側は無限遠点までずっとぼくの内蔵によって埋めつくされている。 ぼくの内蔵がきみたち全部を虚無から護り、宇宙の秩序を維持している。 すべてのものはしかるべき位置にある。 だから、きみはこのまま安心して眠っていいんだよ」

ここにきて活字の世界のどれだけ美しいことか…  現実は、あっちもこっちも利己利己利己利己利己利己利己利己…  めまいがする稚拙。 頑なな勘違い。 現状の肯定。 都合のいいフィルター。 考えるふり。 知っているつもり。 ごまかし。 拡大、縮小…

2004-02-16-MON

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