No.539 夢がかなった

さっそく夢がかなった。 テルメdeドスト。 たまに本の持ち込みを禁止してる風呂もあるからはじめにあらゆる張り紙をチェックする。 ここは特に読書を禁止してはいないようだ。 よかった。 お手製のビニールのブックカバーをつけて、お風呂セットの巾着にいれて勇んで浴場へ。 普通ならはじめに体を洗うのだが、お風呂セットが濡れる=巾着内部が濡れる=本の置き場所がなくなることに気づき、のっけからどうしていいのか分からなくなり、とりあえず体も洗わず、本も巾着にいれたまま、普通に寝風呂につかる。  なんか下手したらこのまま普通に気持ちよかったっつって帰ってしまいそうだなーなんて思いながら、しばらくあっちのペニスやこっちのちんぼを眺める。 ちんぼも見飽きてしばらくして、さきに体を洗わないのはやっぱり落ち着かないと、洗い場へ。 しかしやっぱりお風呂セットを使用してしまうと巾着に本がしまえなくなるので、仕方なく備え付けの毒々しいシャンプーやらボディーソープやらをつけて、しゃっきりしない刺激のタオルでヌメヌメと洗う。 どうも準備が悪かった。 しかしこのもどかしい、なさけない感じが、なぜだかなんとも気持ちいい。 お風呂で裸でひとりでしかも坊主でおまけに慣れないことをしようとしているこのよりどころのなさ。 がりがりな体がなおその情けなさを強調する。 楽しい… ここで本当にころんで死亡したりしたら完璧なんだろうけど、そこまでやりきってしまうと、勘のいい人には本人が実は楽しんでいることを察知されてしまい、その瞬間すべてが台無しになる可能性がある。 ひとりにでも楽しんでいる心がばれてしまっては成り立たない類の繊細な遊びなんだから。  さて、こんな歪んだ分光器遊びをしにきたんじゃない。  ようやく本をもって、外の半露天エリアへ。 中は人の動きがうるさい上に明るい。 そのてんここなら出入りこそあるが中での人の動きは少なく、適度に暗く、場所の性格上一カ所を陣取っていても誰の迷惑にもならない空気がある。 いい。 結構深いお風呂で、普通に体育座りの格好だと首までつかってしまい、温度も42度くらいの適温の為、10分も集中して読んでるとすっかりのぼせてしまう。 だので、階段状になったすこし浅いヘリのところにときおり移動し、その細いところに半ば無理矢理半身浴状態になり、肩が冷えてきたらまた首までつかり、というのを繰り返してみたのだが、正直これではなかなか集中できない。 明らかに家の風呂の方が読書には適している。 ぬるくなってきてまた沸かしてというコストがこの時期は心配だが、しかしおそらくまた本を持ってこようとはおもわないというのが正直な感想。 もうちっとぬるけりゃなー。 あとあれだ、本を自由に入れることが出来る防水のケースみたいなものがあればまた違うわ。 ずっと手に持ってなきゃいけないのが大変なんだった。 そして乾いたタオル。 うーん、むずかしいなー。 いいアイディアだとおもったのになー。   それにしても、ロシア文学ってのは人物の名前が長くてしかもなじみがない音の連なりで、覚えるのが大変。 チボーの時はジャックとかジェンニーとか一発でおぼえられる簡単な名前でよかったんだが、この罪と罰は主人公からしてラスコーリニコフとどうもとっかかりのない音だもんだからしんどい。 しかも同じ人の同じセンテンスの中で、なんのルールもなく同じ人の名前をドゥーニャとよんだりドゥーネチカとよんだりするもんだから、さらにわけがわからなくて誰が誰なのか混乱する。 これはなれるまで大変だ。 文章(訳)もくせがあり、ちょっとパズルを解くような見方をしないとどういうことをいいたいのか分からないような言い回しが頻発するのだが、これはチボーの山内さんの訳で慣れていたため、かえって楽しかったりする。 なんにしてもこりゃ名作の匂いがのっけからプンプンだ。 ラスコーリニコフにジャック的な屈折、賢さ、冷淡さ、愛情をビンビン感じる。

2004-02-18-WED

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