No.571 ウルルンはやらせじゃないと知った

4人でぐでぐでと布団の中ですごし、東京はいやだなー、山形はいいなーなんてな話をしてたら、さぽが突然動けなくなった。 首から肩のあたりがぎっくり腰的なことになてしまったみたいで、なんだかやばい。 全然首を動かせなくて、体中が痛くなってきて、このまま半身不随か??とは誰もおもわず、根拠はないがなんとなくさぽの目の奥に「体がしっている余裕」みたいなものが感じられたからだとおもうけど、しかしそれでも2時間くらい起きあがることもできず、とりあえず寝違えたときの対処として知っている「左右均等に気をくばってしばらく仰向けで寝ている」をさせてみたところ、1時間くらいでなんとかだましだまし起きれるくらいにはなった。 と、意外な人から電話。 なんと、ドム(ジオスのドミニクね)からである!  さぽ、ぼく、ゆきえと代わって、つたない英語で話をして、またぼくに戻ってきて、ドムが「どこにいる?」とか「なにしてる?」とか、どうも会いたがってる風な匂いをみせたので、家にいるからどうか遊びにきてくれよと誘ってみた。 そしたらドム、ふたつ返事で今から行くというじゃない! やった! うれしい! ドムからアプローチしてくれたってのがすごくうれしい! かずとゆきえにもこの素敵なともだちを紹介したかったので、ドムがくるまで帰るのを待ってもらった。 で、30分くらいしてやってきた。 でっかいバックパックを背負ってやってきた。 さぽは予習してた「朝起きたら背中を寝違えて、首が曲がりません」という文を一生懸命英語で伝えたが、どうもリアクションがいまいち。 Rの発音か?  それからちょっとの間5人でお話して、で、そろそろhave to go と、ふたりはおいとまごい。 今日はふたり高畠にとまるのだそうだ。 こんどはぼくらを東京に泊めておくれ。 see you!

ドムのマッサージ(かなり上手!)によって痛みが分散されたさぽからのgoサインで、3人ウキウキで山に出発! 助手席にドム、後部座席に病人。 病人は小さな友達シロ(電子手帳)の力をかりて、聞き慣れない単語を駆使してドムに話しかける。 しかしさぽの英語はやはりさぽの日本語のようになんだかおかしい。 もちろんぼくは人のこといえた立場ではない。 なんだかおかしい英語みたいな言葉でもりあがり、ディアーが鹿だとか勉強にもなりながら蔵王の方へドライブ。 ドムも昼を食べてないってんで、ぼくらの大好きな三百坊へ。 ここは日本人でもロケーションに圧倒されてしまうほどなので、ぜひドムにも見せたかった。 が、まだ自慢の箱庭がa lot of snow のせいでその魅力の半分も発揮しておらず、ちいと残念。 とりあえず今日はこの日本家屋のすてきな匂いだけでも味わってくれ、ドム。 無愛想な味の板そばを楽しみ、山菜の天ぷらを楽しみ、腹一杯になって店をでる。 道がどろどろで、車のマットが真っ黒になってしまったぼくの悲鳴をきいて、まだ乗らないふたりはふざけた様子で雪に足裏をこすって泥を落としていた。 ぼくも降りて負けじとこすった。  西蔵王公園にいくも、まだ雪のせいで通行止めではいれない。 ちょっと眺めのいい駐車場でドムのVery expensiveな写ルンですで記念写真。 雪がなくなったらまた来ようねっつって、今度は展望台に向けて出発。 こっちは無事にたどりつけた。 うんといい眺めで、山形中の春の気配を一挙に感じることができて感激。 ドムのライオンズマンションはどこだとかなんだとかひととおりお決まりの儀式をおえ、木に似せたコンクリフェイクの階段をおりて行き止まりのちょっとさっきより低い展望ポイントに移動。  まだちょっと肌寒いともとれる、でも春の暖かさがベースにあることのわかる安心感のある涼しさの中で、今にも芽吹きそうな、物寂しいんだけど、これから間違いなく爆発的に「萌える」ことが約束された、これまた安心感につつまれた裸の木々の中で、ドムのホームタウンのサクラメントの話を聞いて、ぼくらうっとりしていると、突然ドムが「悲しいニュースがある」という。 ぼくもさぽも、もうそれだけでそのBad news がなにか分かってしまった。 ぼくらの関係のなかで、ドムがぼくらにそういう言い方をする出来事はひとつしかない。 予想通り、ドムは急な事情ですぐにも母国に帰らなくちゃいけなくなったのだ。 ぼくらは思いがけない展開に、もうショックで、ショックで、しかし英語力のつたなさのせいで、がんばっても事務的なことしか聞けず、わかったのはドムの家族の事情で、今月末日にはもう帰ってしまうということ。 意外といっちゃなんなのだが、こんなに悲しい気分になるとはと、ちょっと不思議なくらいだった。 だってぼくなんかドムとはまだ合計で10時間もいっしょにいない上に、言葉が大変なおかげでなにひとつ深い会話もしていないというのに、まるで家族や十年来の親友がいなくなってしまうような寂しい気持ちになったんだもの。 なんでだろ? 初めての外国人の友達という、そういう記号的なところももちろん影響しているんだろうけど、でも、ドムは、類い希な、ものすごく心の透明なうんとかわいい、賢い、素直な、素敵な人で、ほんとに最初に見たときからその「目」に絶対的な信頼を勝手に感じていたもんだから、これから本当に長いことかけてちゃんと仲良くなりたいと思っていたから、突然帰るなんて聞いて、びっくりするぐらい悲しい気持ちになってしまった。 ドムは、今日、このことをいいにぼくたちの家にきてくれたのだ。 でもぼくたちが喜んで楽しくしちゃってたからなかなか言い出せないでいたのだ。 そば屋で雪が解けたらまた来ようとか、公園のアスレチックにも雪が解けたらこようねとか、そういう未来の約束がでてくる度に、きっとドムはドキリとしていたんだろう。  英語力のないのもあって、しばらくなんにもいえなくなってしまった。 でもこんな気持ちのいい場所でしんみりしていてもしょうがないので、今度はぼくらがサクラメントに遊びにいくから泊めてくれと約束を取り付け、さしあたって前から約束していた来週の秘湯めぐりを楽しみに、今日も残りの時間を楽しもうということで気持ちを切り替えて階段を昇っていった。 最初の展望台でまたしばらくお話して、車にのって家にむかう。 いったん家に車を置いて、ちょっと一休みしてから川に散歩にいこうということで家でお茶を飲む。 さぽは依然病人で、首が固まって動かせない。 ちょっと疲れたらしく、横になっていると、いっきに具合が悪くなってきたみたいで、これじゃ散歩は無理だねってんで安静にしつつ3人でまったりお話。  千と千尋の神隠し(Spirited Away)がドムはすごく好きだというので、ぜひナウシカも見てくれ、できれば英語版のコミックも見てくれと熱烈にすすめたり、蝉のことをドムが全然知らないことにびっくりしていろいろ見せたり説明したり(そういえば前にどこか外国の人が日本のおみやげに何が欲しいと聞かれて「あの鳴く木が是非ほしい!」といった話をきいたっけ)、英語ではこういう場合どういう表現をするのかと、前からこういう風に聞いてみたかったという理想的な英語の授業まがいのことをしたり(休日なのに申し訳ない)と、すごく充実したまったりイブニングを過ごし、7時くらいにドムが時計をみてもう7時か!とびっくりしたので車でダイエーまで送っていってバイバイした。 今夜はスシかラーメンを食うといっていた。

さて、ドムの帰る直前、チャンス先生、熱をはかったらなんと38度もあった。 痛みの根元は風邪だったか。 すぐに布団をしいて寝かせて、明日のバイトを休み、栄養剤やら冷えピタやら買ってきて完全に病人モード突入。 ぼくもなんとなく頭痛と関節痛が始まり、ちょっと危ないなとおもったので早めに風呂に入り、早めに寝た。 さぽは寝返りもうてないほどで、不憫。 

2004-03-21-SUN

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