No.578 ドムと温泉

温泉!! 晴れた!! 今日は待ちに待ったドムととしみっちゃん家族とわたくしたちの日帰り温泉旅行の日! じゅは! ものすげい晴れた!! うれしい!!  早起きしてさぽはおにぎりを作る。 んで8時半くらいにとしみっちゃんたちがでかい車で迎えにきてくれた。 ぼくら乗り込みドムのライオンズマンション(場所をだれも知らない)へ向かう。 意外とすんなり見つかり、インターホンでドムを呼ぶ。 ほどなくドム登場。 なんだか今日のドムはいつもよりふにゃふにゃしているみたいだ。  としみっちゃん運転。 ぼく助手席。 2列目にドムとさぽ。 3列目にじゅんことしん。  うきうきでしばらくバイパスを走るが、やはり会話がむずかしい。 みんな一生懸命話しかけるのだが、ぼくらあまりに英語力がなく、しかも車内のみんな前を向いてる特殊な環境のせいかなかなか会話にならない。 きがつくと車内には日本語が充満してしまっていて、ドムがとりつくろうように平気だよという顔で外の景色をみてるのを見つけるたびに疎外感を感じてやしないかと心配でならない。  途中休憩でコンビニにおりる。 と、どうもドムの様子がおかしい。 聞けば昨夜のジオスの飲み会で飲み過ぎたらしく、頭がドクンドクンいってるのだと。 さっきからなんとなくふにゃらかだるそうだったのは二日酔いのせいだったのだ。 ドムはお気に入りの栄養ドリンクがあって、それをばかみたいに買いだめして飲み始めた。 以前風邪をひきかけたときにドリンク剤をいっぱい飲んで治したってのはきっとこれのことだ。 先週さぽが痛い痛いいってるときも、アスピリンを飲めとしきりにすすめていたが、アメリカ人ってぼくは自然食品とかにこだわって特にドムみたいなヨガをするような人は薬を毛嫌いするもんだとおもってたけど、意外とそこは割り切ってるのね。 二日酔い用のドリンクも売ってたので教えてあげたらそれも買ってすぐに飲み干した。  車に戻り、またしばらく走る。 ドムの顔が赤いの気になる。 熱があるのに無理にきたんじゃないかしら? 露天風呂なんてはいって大丈夫かしら? うーん、心配。 みんな口癖のように大丈夫?と連発。  ほんでしばらくして土湯温泉到着。 いたるところこけしだらけ。 ドムはたまたま、あちらの友達の結婚祝いだかにこけしを買っていきたいといっていたらしく(きよこ先生からさぽが聞いた)、なんておあつらえ向きの場所をぼくら選んだのでしょうとさぽと昨夜小躍り。  さて、目的地の「川なんたら旅館」につくが、なんと残念なことにここは日帰り入浴をやっていないのだそうだ。 なんだよ。 本にはそんなこと書いてなかったのに。 まあ別にここでなきゃダメってわけではなかったので、すぐに次の目的地を決める。 5年くらい前にさぽと泊まったことのある、さぽの友達の家でもある「さなんとか旅館」に決定。 ここの露天風呂はそのアプローチがなかなかおもしろくてぼくはとてもいい印象をもっている。 しばらく走って到着。 車を降りるとドムはすぐに雪を握って額にあてた。 うわ、これは相当熱のあるしんどい人の行動じゃんか。 ほんとにほんとにほんとに大丈夫か?と聞くも、ドムにしたってここまできてどうしようもないだろう。 わかんないけどまあ大丈夫、と。   じゅんこはしんを見てなきゃいけない(しんもちょっと熱があるらしい)ので入らないってんで大人4人分のチケットを買う。 ドムが便所にいって帰ってこない。 心配になってきたころに、明らかに、しんどい人がせいいっぱいの気合いをいれなおして自分に「楽しむんだ」と言い聞かせた時のような妙に明るいドムが出てきた。 もう心配してるほうがドムにもめんどくさいだろうってことで、もうぼくらもなにも気にせずふつうに楽しむモードに切り替え。 さっそくみんなしてスケスケの女風呂の柵に目をこらす。 こういうとこの囲いは作りがざっくりしていてとてもステキだ。 じゅんこもお風呂がみたいってんで一緒にきていて、これならチケット買わなくても入れるじゃん、と気付く。 さぽとじゅんこと途中で別れ、おとこ三人はさらに奥の男湯へ。  小さい、木の柵に囲まれた、道路から丸見えの、実に素敵な露天風呂。 温度もちょうどいい。 気持ちいい。 ほんとに気持ちいい。 空はこれでもかっていう青空。  はあ。  ドムもつぶやくように…nice。 たっぷり20分ほどつかって大満足であがる。 すっかり足がだるくなるぐらいぐでぐでにゆであがり、ロビーへの帰り道、ドムも「ヒールされた」と。 すでに女子供はロビーでくつろいでいた。 ぼくらもジュースを買い、あばれまわるしんを気にしながらまったり風呂上がりのひとときを楽しむ。 半分冗談でドムが「ここを動くなんてことはできない」(あまりの居心地のよさと今日の具合の悪さをかけて)というので、確かにぼくらもここの居心地のよさは捨てがたいということで、ここの唯一のメニューである山菜うどんでランチをすまそうということに。 これがなかなかうまくて(といっても学食的なうまさ)、大正解。 いやー、しかし楽しい。 ドムもお風呂にはいってから調子がでてきて、みんなともうち解けてきて、実にいい感じ。

食休みをして出発。 こけしを求めてまず通り道の道の駅によるが、当然つまらないこけしがいくつかあるだけで面白くない。 ぼくはヴァイツェンを見つけて大興奮で即買い。 夜飲もう。  結局最初にいった土湯温泉にもどる(ぼくらがはいったのは野路温泉)。 もうそこら中こけしだらけ。 やたらかっこいいこけしをたくさん置いてる店があって、そこでずっとこけしをみてたらだんだん見え方が変わってきて、こけしがなんとも不思議な素敵なものになってしまった。 子供のころから見てる民芸品的なものって、知らずにそういうつまらない記号にあてはめてひどい偏見でみていてもったいないなとおもった。 こけしって、実はすげーかっこいいじゃない。 おそらくこの店が一番ディープなこけしやだったんだが、この上に「こけし通り」なるものがあると誰かがいったのでとりあえずいってみることにした。 が、そこにはこけし屋などひとつもなく、寂しい細い通りにキックボードをする地元少年たちがちらほらいるような妙に生活臭のある温泉街の裏側みたいな通りで、単に名前が「こけし通り」っていうだけらしかった。 こけし通りをでてすぐにめについたおみやげ屋にはいる。 アンビリーバボーで紹介されたというなにやら「すごい水」を売っていて、ここでしか売っていないとか、アトピーに効くとか、癌が治ったとかいう話をきいて、ぼくとじゅんこ、まんまとかっちまった。 ここのおばちゃんがやたら自然ものにこだわる人で、この水もほんとは小売りしないのを相当無理言っておかせてもらったのだそうだが、そういったことをうれしそうにしゃべるしゃべる。 この水の販売元の女性がなんでも霊的能力のすごく強い人らしく、アメリカのテロをその年の2月にすっかり予言して漫画みたいな感じでいろいろ詳しいところまで(後の方まで報道されなかったようなことまで)メモしていたらしく、その話をするおばちゃんはえらく興奮していた。 その霊感の彼女は水のほかに一風かわったこけしも作っていて、ドムはそういった日本語でかわされた話など知る由もなく、自らそのこけしを選んだ。 2対のこけしで、丸いくぼみのある胴体の上に球状の顔がのっかていて、顔には口が丸くくぼんでいる、招福こけし。 顔が動かせるからいろんなシチュエーションをつくれるらしいよとドムに教えると、リアリー?!! とひどく興奮してた。  こけしめぐりをしてるころなんてドムはもうすごく元気になっちゃって、ぼくらもすごく楽しくて、うんと幸せだった。 温泉街ってのは歩いてるだけですごく楽しい気持ちになる。 こけしも水もヴァイツェンまでも買い、すっかり満足したぼくらは帰路につく。  車中、ドムが日本のCDをなにか買って帰りたいというので、ぼくらは大いに悩む。 はたしてネタで日本的なふざけたものが欲しいのか、それともほんとにいい音楽を紹介してしまっていいのか、そこのところを英語で聞くのがまずすごく難しい。 どうやらちゃんと音楽として自分で聞きたいらしいことがわかったので、今度は売れてる聞きやすいバラードとかブルースとかいった「いわゆるいい曲」がいいのか、多少ニュアンスが難しくてもクオリティー重視でいいのかを聞くと、間髪いれずにクオリティーと。 しかしそれでもぼくら、かといってあんまりおかしげなものをすすめてもいかんなーと、王道と玄人受けの両立の線を慎重にさぐり、結局「あれ」と「あれ」をすすめた。 世界的なあの人と、若くてめっちゃ売れててしかしぼくら大好きなあの人らと。 どう受け取るか不安。   で、いよいよドムとお別れ。 用意してたおみやげを渡し、「ほんとに see you 【soon】」だからねと念を押し、バイバイした。  残念だけども、しかたない。  メールアドレスをお互い教え合ったので、連絡は取れる。 とても短い間だったけども、うんと楽しい思い出ができました。 ドミニクちゃん、ほんとにどうもありがとう。 是非是非また日本にきたときには更なる東北の秘湯巡りをいたしましょうぜ。

家に帰り、今日のあったことなど話ながらヴァイツェンの味に感動しつつ、くるりの花の水鉄砲にやられ、寝る。 うんと濃い〜楽しい一日だった。

2004-03-28-SUN

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