No.615 なんだかうんと幸せだ。

すかっと晴れたのならふたりして是非とも外遊びしたかったのだけど、どうも小雨ぱらつく微妙なグレーデー。  まずはお風呂にはいりすかっとして、昨日ふたりで初3枚おろしに挑戦したアジをつかった丼ものをさぽが作ってくれたのをお昼ごはんに食べる。 ものすごくうまい。 ほんとは外で食べたかったんだけど、天気は依然ぐらついている。  午後、フライフィッシングのビギナー本が読みたいと、八文字屋へでかける。 ぼくが夢中になって読みふけっていると、さぽはさぽで料理の本に熱中しだした。  結局ぼくはフライロッダーちゅう雑誌の「今日から始めるフライフィッシング」特集とホムンクルスの2巻、さぽは料理の本を3册ばかし購入。 有元葉子という人の「干し野菜のすすめ」という本がすごく興味深い。  ゆっくり本を読みたいねと、カフェというよりは喫茶店を求めるが、車で行きやすくずっといてもいやがられなそうなモスへ行くことに。 お茶とイモで1、2時間粘り、ふたり買ってきた本にそれぞれ集中。  しかしフライフィッシングてのは考えるべき要素が多くてそれぞれ専門化してる感じでとんでもなく難しそうで面白そうなものなのね。 知れば知るほどおそろたのしくなってきて体が分裂しそうだ。 フライロッドを実際に見てみたいと、たまらず釣り具店にいってみる。 まだなんだか良く分かっていないが、とにかく今、とても自分の中で盛り上がっているので楽しい! フライがいっぱいはいった箱を眺めてるだけでムズムズして気持悪くて気持いい。 なるほどこれがニンフを模したものか、おお!フライラインてのはこんなにぶっといのか、と、いちいち感激。 ざっと見ただけで今日は満足して店を出る。 オーバンで買い物をして水をもらって家に帰る。

途中、橋の上を走行中、ふと自分の進行方向の右側にあたる北の方をみて驚愕! 今日は全体的に雲が厚く、一日中空全体が暗かったのだが、時刻はもう6時過ぎで、いちいちいつもより今日は暗いなんてバイアスを気にしているわけではないので、あたりの暗さは普通のその時刻相当の暗さだとおもっていたのだが、そこに突如、真昼の明るさでぴかぴか光った景色が遠くに見えたのだ。 一瞬わけがわからず「世界の終わりだ!」とおもったほど異様な光景で、しかし同時にそれはあまりにも美しく、さぽとふたりで大騒ぎして車をとめてじっくり見入ってしまった。 ほんと、夕闇の世界にぼこっと穴が開いて、いきなり昼の世界が現れたような光景で、遠くの山とその下にひろがる町並みや田畑がこちら(夜側)とくらべてあまりにも明るいものだから、紫外線で色がとんだポスターみたいな調子で、リアルの景色なのに下手な合成みたいなことになっているの。 おもしろい!  興奮さめやらぬまま家に帰り、荷物をおろし、さぽが「ごはんつくるのに30分くらいかかるから散歩してきてもいいよ」と、さっきの光景の中を歩きたくてうずうずしているぼくを見抜き、すてきな気づかいをしてくれたものだからぼくはありがたく好意にのっかり、ipodをポッケにつっこんでまっしぐらに河原へ。 ポストロック/エレクトロニカとしたジャンルをシャッフルで聴きながら歩き出すと、なぜか集中してトータスのTNTからの曲が続く。 しかしこれがこの異常な気持の悪いあの世みたいな恐ろしい綺麗な光景とえげつないくらいマッチし、頭上を飛び交うコウモリの動きと13号を走る車のライトと自分の歩調でスクロールする近景とその後ろに広がる変態遠景と、目にはいってくる情報と耳からはいってくる情報すべてが頭のなかでとんでもないことになりはじめ、タイミングが同期しはじめ、ちょっとしたトランス状態がはじまり、草木が音楽に合わせて急激に成長しはじめ、街中の街灯が楽器に完全にシンクロした明滅をはじめ、コウモリが空にイコライザーの波形を描き、これはまさに以前、昼間にアルバムリーフを聞きながら歩いたときにつくりものの動物たちが語りかけてきたときと同じ状態で、ここの河原にはなにか音楽に同調するパワーがあるようだと悟り、とにかくしばらくの間このとんでもない気持良さに完全に体をまかせ、タハっ、タハっとからだから勝手にもれる喜びの爆発みたいなものが口から笑いのような感じで連続してでてきて、そろそろ30分だなというかすかにのこる理性が意外と強く働き、体をびくびくさせ、タハっ、タハっといいながらおそらくうんと気持の悪い様子で家まで帰った。

家ではチャンス先生がこんにゃくそばに天ぷらをつくってくれていた。 天ぷらはさっきオーバンで買った、さつまいも、大葉、れんこん、茄子、きすと、どれも好物ばかり! うんと美味しくいただき、昨日の残りのエビス1缶がこれまた美味しく、なんだかこの3日間であまりにも幸せな思いをしすぎたせいか、ありえないほど気持が安定していることにきづき、おどろき、その安定の心地よさにあらためてまた幸せだなぁと実感し、毎月ゴールデンウィークがあればいいのになぁとそっと希望し、で、長い夜はフライロッダーの熟読にあて、さぽも料理の本をうっとりとよみふけり、なんだかとてもいい一日でした。 休みもあと一日だってのに、不思議とあせりがおこらない。 うんとうまいことまわっているんだろうな。  物語だったらこの安定は次の事件への布石として逆に不安を感じさせるんだろう。

2004-05-04-TUE

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