No.636 記憶を記録する機械が欲しい。

意識して、歩調をいつもよりゆったりにして帰ってみたら、帰り道がいつにもましてとんでもなく楽しかった! 3キロをいつもは30分でつくペースで歩いているんだけど、今日は50分かかった。 どこかの夕飯の匂いや、年寄りの匂いや、病院の匂いや、植物のつよい匂いがするたびにそこで立ち止まり、おもいっきり匂いをかいでは大感激し、記憶と匂いは脳の中で隣接していることを確信し、また歩き出し、一度も通ったことのない道をあえて選び、どんどん知らない路地に迷い込む快感に酔いしれ、なぜかシチュエーションに絶妙にリンクする、ランダムで選び出される音楽に驚き、それらの刺激のおかげなのか近年稀に見る勢いで次々に頭の中に湧いてくるおもしろいものの考え方、新しい切り口の世界のとらえ方にこれまた驚き、自分の中にまだこれだけ新鮮なアイディアが湧き出す泉があったのかと猛烈にうれしくなり、これをストックできる「録念装置みたいなもの」がないことをすごく残念におもい、残念におもいながらも頭はその「録念装置みたいなもの」からどんどん発展していってどんどんおもしろい流れに走っていってほんとうに今の脳内の情報を忘れちゃうのはもったいないなとおもったけど、これをメモったりして思考をとぎれさせては「こんな風」には思考は進んでいかないなと思い、ますます録念装置が必要だなと感じ、そのとき考えたことを何一つ覚えていない(予想通り)ことにいまこうしてキーを打つぼくはがっかりで、書けないんだったらいくらでも「世界一おもしろいことを考えたけど忘れた」といえるなーと、情けなく、今朝は時間がなくて車で来ちゃったから歩いて帰れないなーとそれもがっかりで、昨日の興奮と今現在のがっかりがまじって複雑な感覚が生まれ、それが胃を刺激したのか急激に腹が空いてしまった。 今日のご飯はなにかしら?

2004-05-25-TUE

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