No.640 早起きはいいねー

4時起きして大谷さんと山へ。  目指すは菖蒲川ダム上流。 バイパスから上山市街地と反対に、東の方へのぼっていくこと数キロ。 山形にこんなところがあったのか!というとんでもなく美しい里山が徐々に、でも突然展開してくる。 大感激。 山と谷の高低差のあるすごく立体的な緑の重なり。 段々の水田に水がはってあるその背景にはどこまで見上げても見下ろしてもきれない緑、緑、ところどころに藤の花が垂れ下がり、窓をあけると涼しい綺麗な空気にすばらしい匂い、そして下界ではまだ聞くことの出来ない蝉の声にコロロっと乾いたカエルの声。 もう早朝からあんまり幸せすぎて死にそう。  しばらく走ると採石場跡(?)が現れ、朽ち果てた巨大コンベアが野生の藤に覆い尽くされ、天然のすばらしく立派な藤棚になっていてその美しさ、スケールにさらにやられる。 人が残していった文明の残骸が、すっかり自然に負けている、なんていうと陳腐だけど、その自然の力強さに本当に感動。  崖を転げ落ちないよう、また、上からの落石に直撃されないよう祈りながら本にのっているポイントぎりぎりまで車でのぼっていき、沢の入り口付近で車をおりる。 無人の小屋にヤギが繋がれていて、岩魚を養殖しているらしい沼にはなにか見なれない大きな鳥がとんでいる。 蝶々も黒にかがやく青がのった綺麗な種が主で、いろいろが下界とは異なる。 大好きな蜩のててててててててという声が山中に響き渡り、藤の匂いもとぎれることなく香り、さっきからドーパミンがでっぱなしだ。  さっそく入渓。 高低差があるので降り口をみつけ、そこから川に近付く。すぐに10mくらいの堰堤(えんてい)があり、落ち込む直前のところに魚がいそうなんだけどまだすぐには川にちかづけそうもない。 しばらく川に沿って道なき道を登っていくが、道なき道はそのうちほんとに道らしさを失い、ただ川の音をたよりに崖をおちないように草のなかにつっこんでいくような状態に。 ふと前方をあるく大谷さんのリュックをみると、3本に分かれてるはずのロッドが2本しかない。 どこかで引っ掛けて落としたのだ。 来た道をうんと目をこらして探すが、もはや自然と同化してか、みつからない。 がんばってさがすがどうしても見つからないので、とりあえず川におりてみようと先へ進む。 しばらく歩くと斜面がなだらかになって、人為的に倒木を利用して若干降りやすくなっているところを発見。 気を付けて下まで降りていくと、小渓ながらも「いかにも渓流」という流れにたどりつく。 すごくきれい。 しかしやはり、広さがないため、川にはいらないことにはとてもじゃないけど釣りにはならず、移動するにも川の中をあがっていくしかなく、あらためてウェーダー(腰とか胸まである防水のあれ)なくして渓流釣りはありえないことを痛感。 まあ今日はそういうリアルな「必要性」を勉強しにきたみたいなものなので、他にもいろいろ「ロッドケース」や「強い手袋」なんてな実釣に必要なものも明確になってきた。 服装もあらためてどう有るべきかが現実味をおびてわかってきた。 まだまだそろえるべきものが多い。 実際にロッドを振ることはできないながらも、今日は川を山を楽しみつくして帰ってやる。  がまんできずにはだしになって川にはいってちょっと歩いてみるが、水がまだつめたすぎて5秒もはいってると「死」を予感するほど冷える。 岩にのぼってはまた歩いて、実際に魚影やライズをみることはなかったけど、確実に魚の気配を感じることはできた。 2時間ほど遊んで、この川は釣り上がる(下流から釣りをしながらどんどん上流にのぼっていく)のにとてもおもしろそうだという確信をもって山をおりる。

つぎにこの川のちょっと南にある萱平(かやだいら)川にむかう。 菖蒲川にむかうときに分かれ道を左に進んだ分岐までもどり、こんどは右側に向う。 こっちの景色もすごい!! 泣きそうだ。  古屋敷村という古い家がのこっているちょっとした観光ぽくしてるにしてはあまりにもなにもなく規模のちいさい町を過ぎ、萱滝という滝へ。 ここもちょっとした観光すぽっと的になっていて、駐車場があり、「天狗道場」なる謎の建物が残り、横に降りていく道がある。 ちょっと危なげな道を降りていくと「ざああああああ」という幸せな音が聞こえてきて、道を折り返して左側に川が見えると、左前方に落差20mくらいだろうか、萱滝が現れた。 滝つぼまで降りていくことができて、真下から滝をながむる。 細かいしぶきが、まるで風みたいに顔にあたってとても気持がいい。 足下にたき火の跡があったので、おそらくここで釣りをした人が魚を焼いて食べたんだろう。 なんてうらやましい。 本の紹介ではここの滝つぼの深みがかなりのポイントらしい。 このやさしい轟音の元でフライフィッシング。 なんてたのしそうなんだろうか。 さっきの菖蒲川にくらべてこっちの萱平川は水系的に各上の釣り場なのだそうで、こっちは岩魚だけでなく山女も釣れるらしいから魅力である。 こんだけ楽しんで、大満足して、それなのにまだ時刻は9時前というのがものすごくうれしくって、早起きは3文の得どころかダイヤモンド発見で、ほんで午前中のあまった時間で大谷さんの家で野球のゲームをして遊ぶ。 休みで親のいる(お母さんがいた)家の居間で日中からゲームしてる感じがまるで小学生のときみたいで懐かしくて、とても楽しい。 お昼をごちそうになり、ぼくのジャイアンツは最後まで勝利することができず、昼すぎ、午後から出社の大谷さんの家をおいとまごい。 さぽを無印に迎えに行き、遊人にパタゴニアの帽子を見に行き、取り置きしてもらってオヤジとフライの話をして(やっぱりフライロッダーだった!しかもかなりやる)最終目標はパタゴニアのウェーダーだなと確認して家に帰り、少し休んでから河原に散歩。 さぽは動物に腰掛けてチボー家を読み、ぼくはキャスティング練習。 2時間くらいいたんじゃないだろうか。 どちらもかなり集中してそれぞれの世界に没頭していたらしく、いつのまにか暗くなりかけていた。 河原を散歩して帰り、家にもどって財布をもって大吉へ。 軽く一杯ひっかけて、なんと充実した一日だったろうと大満足で家に帰り、きのう届いた黒田硫黄(天才)の「大日本天狗党絵詞」を嫉妬しながら読み、いつのまにか寝る。 明日も4時起き。

2004-05-29-SAT

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