No.664 イワンのことば

「おれは調和なんぞ欲しくない。 …それより、報復できぬ苦しみを抱きつづけている方がいい。」 なにか良くないとは分かっていても、この気持ちは痛いほどわかる。 痛いほどわかっちゃだめなのか? いや、わからないのは良くない。 わかった上で、それにおぼれちゃいかんてことか? あやまられたらこれ以上すっきりしないことはないという、そんな感覚が人間にはなぜかある。 負けるが勝ちとはこのうえなく卑劣なり。 なんでそんな感覚があるんだ? この感覚に従った結果どんな利益があるんだ? 怒りを不満を大切に大切に胸に保ちつづけたいという欲望が人には間違いなくある。 あるどころかある種の美はまさにその上にのみ成り立っているじゃないか。 不幸な歴史の末に身につけた知恵が歪んだ働き方をしはじめたのか、あるいははじめから備わったものなのか。 どちらにしてもこの感覚は争いを美徳とすることを助長する。 なくせば平和か? それは人か? 否。 ならば人とは争いか?  ぎゃ、案外そうかも。

2004-06-22-TUE

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