No.699 雨にも負けず

こんなにも身近でこんなにも有名な詩の中に、自分の理想とする「人のあり方」の全てが凝縮されていることに、あらためて、というか、漸く気づけた。 しかもなんとこの詩にはマクロビオティック(正食)まで記されていて、驚きダブルパンチ。 うっすらとした記憶、いろんな所で引用され、耳にしたときの胸の高鳴り、いずれちゃんと暗記しようとおもっていたのだけど、今日、3時の15分間の休憩でやっと実行することができた。 ネットで検索して、あらためて全文を読んでみる。 心は感激で一気にもっていかれ、涙がでてくる。 高村光太郎の「せみ」の木彫を見たときと同質の、うんと素朴な、うんと純粋な感激。 自分がこうして何百回ととりとめないことばでいわんとしてきたことが、あっさりと、美しく、過不足なくつづられている。 すべてが心に正直に響いてくるから、たった15分で完全に暗記できてしまった。 おまたせしました、それでは宮沢賢治で、雨にも負けず。



雨にも負けず



雨にも負けず 風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な身体を持ち

欲はなく決して瞋(いか)らず

いつも静かに笑っている



一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分を勘定に入れずに

よく見聞きし分かりそして忘れず

野原の松の林の蔭の

小さな萱葺きの小屋にいて



東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば

行って怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろと言い



日照りのときは涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

皆にデクノボーと呼ばれ

ほめられもせず 苦にもされず

そういうものに 私はなりたい







……………………私もなりたい

2004-07-27-TUE

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送