No.786 キッチンストーリー

会社から帰り、ご飯を食べ、予告をみてふたりしてぐっときまくった「キッチンストーリー」を見にフォーラムへ。 大戦後の、ノルウェーとスウェーデンが微妙な時期に、スウェーデンからやってきた台所の動線調査員のおっちゃんが、ノルウェーの一人暮らしのじいちゃんの家の台所の角に座って、毎日ひたすらじいちゃんの動きを観察する。 観察者と被観察者は決まりで絶対に会話したり交流をもっては行けない。 けど人間と人間が同じところにずっといたらそういうわけにもいかなくなってくる。 といううんとかわいい素朴で素敵なお話。  じいちゃんの口からラジオが聞こえる場面は、ぼくのなかで一気にこの映画の格付けを上げた、映画史上に残るすばらしくうつくしいシーンだった。 こんなとっても素敵なアイディアを、いともあっさりと使ってしまっているあたりもかっこいい。 使い方次第ではニューシネマパラダイスのキスシーンのフィルム並みに泣かせることができるだろうに。  全体にながれるじいちゃん同士の心の交感の清らかさがほんとにぼくの琴線ど真ん中で、地味な展開ながら終始うっとり。 スカンジナビアの人は日本人の感性にとても近いものがあるとおもった。 さらにその中でも雪国同士はいわずもがなの共通する美意識がある。 やっぱりぼくは、自己肯定とかそういうパーソナルなちっちゃいことでなくて、もうDNAの呪いとでもいうべき絶対的なものによって、そういうところに美を感じるようにできているみたいだ。 ふたり大満足で、例のごとくビールを買って帰り、いっぱいやって寝る。 週末レイト、あたると冬でも幸せ(しかしまだ秋)。

2004-10-22-FRI

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