No.832 癖

最近なにかに集中すると、下唇がどんどん前にでてくる。 ありえないくらい極端に前にでてくるもんだから気になってしまって集中できない。 しかも意識してたらだんだんそれが癖になってきたみたいで、だしてないとムズムズする。 みっともないので早くなおさないと。

こういう感じで小学校の時に実際に癖になってしまったことがある。 頭がちょっとだけ痛いときに、首を横にぶんぶん振ると痛みの密度がぎゅぎゅっと詰まって、痛いんだけど気持ちが良い。 それが癖になってしまって、いつでも頭をぶんぶんするようになってしまったのだ。 小3ぐらいか。 ぶんぶんは1年ぐらい続き、ぼくの中では日常の当たり前になってしまったんだけど、親がものすごく心配して、病院でMRIをとったり脳波を検査することになった。 なにを大げさなと思うぼくの感覚がやはり正しく、結果は何の以上もなく、純粋なただの癖であると医者も明言。 北野武が首をくいっとするのと一緒だと。 あとはぼくがやらないように意識しさえすればいいだけで、心配するような外的要因なんてなにもなかった、安心、おしまいのはずだった。 みんなが納得したはずだった。 ところがここで大人的な何の根拠もない的はずれな提案をうちの母親がだしたもんだ。 「やっぱりファミコンとかはあまりやらせない方がいいんでしょうか?」   おいおいおいおいおい!!!  今の話を聞いていたかおかあさん。 ぼくのこれはほんとに純粋なただの「癖」だと、今、この、目の前の頭の良いお医者様がおっしゃったばっかりじゃないか!!  そそそそそのお医者様に向かって、どうしたら突然そんな質問がでてくるのか???  しかもお医者様もそこで「まあやりすぎは良くないでしょうね」などとなにもいってないのと同じようなグレーな答えを安易に返しちゃうもんだから、天然純真無垢なわが母の頭の中では「あらやっぱりファミコンはよくないのだわ(この時点で、非常に重要な言葉であった【やりすぎ】が抜け落ちた。なんであろうと【やりすぎ】だったらよくないよそりゃ)」→「体によくないファミコンのせいでしげるは頭をぶんぶんするのだわね」→「ぶんぶんを治すにはファミコン禁止しかないわ」ということになってしまったじゃないか!  で、予想されるすったもんだの末、双方の妥協案として「ファミコン1日30分」という馬鹿にしたような決まりが出来上がってしまった。  当然30分でちょうど切り上げられる都合の良いファミコンなんてものはあるわけもなく、こんな決まりは長い月日を経てあってないようなものになっていった(いつのまにかぶんぶんもやらなくなっていたし)が、初めの頃はなかなか厳しく管理されていて、子供ながらに大事件だったのだ。 無い知恵をしぼって、友達をたくさん呼んで「ぼくがコントローラーをにぎっているのは30分だけど他の人が何時間してようがぼくは知らない」という屁理屈をこねたりしてなんとかごまかしてたなー。 なつかしいなー。

きゅきゅっという音がダメだったり、「よしゆき」という発音がうまく言えない(よしゅーきになってしまう)ことを発見して気が狂いそうになったり、なにか勝手に拡大して嵌って苦しくなってしまう傾向が昔からあった。 神経質というんだろうか? たぶんくすぐったがりやの人はこういう人なんじゃないだろうか?  だからよく「いまこれを気にしたら嵌ってしまって一生頭から離れなくなる」ということがあって、がんばって気にしないようにする。 たとえば雨の日の運転は、ワイパーのきゅきゅ、靴底とクラッチのきゅきゅ、消えてはまた増殖してを一定パターンで繰り返すフロントの雨ツブなど、恐ろしいもの満載で、精神状態いかんでは本当に発狂しそうになってしまう。  だからぼくはどんなに雨が強くても、ほとんどワイパーを使わない。 目をこらして雨ツブの屈折を脳内補完して最大限に注意深く景色を判断し、どうしてもだめになったらワイパーをがちゃと一往復させ、またすぐに止める。 自分で制御すると随分大丈夫なのだ。 きちがいだな。

2004-12-07-TUE/p>

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