No.835 ちゃきちゃきのアメリカっ子

今日は6時40分からどうしてもみたい映画があったので、日中うんとがんばって仕事を片づけて、5時前にはすっかりきれいな体になってウキウキしてたのだが、急遽本日中に下版という報がきてしまった。 なんとなくそろそろきそうだなとは感じていて、昨日のうちに打診はしておいたんだけど、客しだいだからといわれ、そして結果こんなタイミングできやがってしまった。 最近カンプ作成時の時間短縮のためにイラレ10の機能(影やら半透明やらぼかしやら)をがんがん使ってしまう癖がついて、最終段階でデータ全体を、または部分をラスタライズ(ベクターデータをビットマップデータに変換、つまり変更可能だった図形や文字の重なりを、内容変更のきかない一枚の「絵」にする感じ)するという、ほのかにおそろしく、莫大な時間のかかる作業が増えてしまったので、下版前は事故をおこさないためにも余裕がほしい。 が、今日はもう時間がないのでとにかく急ぐ。 細心の注意をはらいつついそぐ。 変換の待ち時間がおもったより長く、あせる。 30分かかってやっとひとつのラスタライズが終わったかと思ったら、また電話で直しが入り、やり直し。 勘弁して、、、  結局いま打ち合わせにいっている営業からまた新たに直しが入る可能性があるというので、映画のあとにまた戻ってくることにして、いったん中断してフォーラムへ。 その決断をしたのが映画の始まる10分前だったので、もう2、3人ひき殺したんじゃないかという勢いで車をすっとばす。 間一髪でまにあい、先についてたさぽからチケットをもらい、座ったと同時に上映開始。 観たかったのは「フォッグ・オブ・ウォー」。

キューバ危機などの話がでて、関心ある史実を内部の視点からみれたのはとてもおもしろかったのだが、しかしこのマクナマラという男のあまりにもしょーもない魂に終始反吐がでそうだった。 まさに心の幼い頭のいいタイプの典型だ。 自分の自慢話になるともう笑いがこらえきれなくて、そのときのうれしそうな目の輝きの気持ち悪さといったら一級品。 こういうタイプがどんなに人道的な活躍を晩年になって精力的にやりはじめたとしても、なにか格好の悪いいやらしい行為にしか見えない。 もたらす効果がすてきなものだとしても、この人物の評とは完全に分離するし、なにかどこかでバランスを欠いている感じがしてしょうがない。 こんなすさまじい経歴をもち、こんなすさまじい活躍をしてきた人の行動原理を、ぼくごときがこんな陳腐な視点で、一時代前の大衆的感情論でもって好き勝手なこといってわかった気になっても、こんなの屁にもならないことはわかっているけど、それでも、この男の行動原理というのは確かにものすごく幼稚で利己的で単純なものだという確信は捨てきれない。 まじめな顔が、涙が、すべてが嘘臭い。 というかもしかしたらあまりにも頭の回転する人間の業なのかもしれない。 瞬間瞬間に自分の感情の前後までもすべて見えてしまって、そこに溺れることの馬鹿馬鹿しさに気づいてしまって、その内部での細かな葛藤や決断が表にでてしまって、すべてが演じているような見え方になってしまうのか??  しかしうんと回転する人でも、魅力的な人というのはたくさんいる。 やはりこの人はとっても大事なところが足りていない。 馬鹿にしかみえない。 器が小さすぎる。  蒼天航路の劇中によくでてくる表現で、器と中身の概念がある。 おれには天下の器があるが、中身がちっともないという人、そしてその器の大きさをみとめ、その中身になろうと忠義を誓う人。 この考え方はぼんやりしていて理屈では説明できないものだが、なんだかすごくわかる! とても気持ちよくはいってくる! そうなのだ、プレーなんかうまくなくてもキャプテンの器というものがあるし、仕事なんかできなくても社長の器というものがある。 中身の人間はいい器をみつけてそれを満たすことが使命であり幸せであり、器はいい中身をみつけてそれをこぼさないようあふれないようどんどん大きな器になっていくことが使命であり、それこそが自然の理なんだと強く思う。 ほんでこの人はあまりにも強烈な中身であり、単独になったり、器を間違えるといっきに情けなく頼りなくしょーもないものになってしまうんじゃないだろうかと思った。 ケネディー贔屓、ジョンソン批判的なところは、ケネディー時代はほんとに自分にあったいい器だったと感じていたんだろうなとおもう。 ケネディーが殺されてからはその力が路頭に迷ってしまったんだろう。 器のない力は民からは嫌われ、その向かう先もやはりちぐはぐなものになる。  そういう痛々しさで満ちあふれた映画だった。 監督が人間的にこの人間を嫌っている(そんな次元じゃないんだろうが、そんな次元のような気もすごくした)のがありありと伝わってくる映画だった。 そして非常にアメリカを、時代をうつした内容だった。 なんかぼくは歴史にうとくていろいろしらなかったんだけど、いろんな世界のいざこざのほとんどがアメリカの勝手な干渉のせいなのね。 なんなん? でっけーんだから自国で好きにやってりゃいいじゃん。 からむなよ、うざい。 すでにつくった恨みには自衛して、世界に誇る科学の力で水素燃料にきりかえて自給して、自分たちだけでキリスト信じて、基本的にそのベクトルじゃなにかだめなことがあるのだろうか? それでだめだからからむんだろうけど、だれかシンプルに教えてくれ。 侵略しなきゃいけない理由を。 内政干渉の大儀を。

2004-12-10-FRI

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