No.843 ボーノディナー

まちにまった、ボーノディナー。 ほんとに今週はながかった、いやだった、これだけが楽しみだった。 さぽの誕生日とクリスマスが近いので、年に一度の贅沢の恒例となっているこのイベント、今年も家計ギリギリのひとり6000円コース。 ぐは!

去年は雪だったなーと思い出しながら、今年の雨のなかをふたり歩いて七日町奥地へ。 今日は年末近い週末だからか、予約で満席だ。 2階へとおされ、ワインを選び、わくわくしてまっていると、うんと美味しい赤ワインが運ばれる。 ぼくらあのタンニンのグンっとした感じと雑味とをいままでごっちゃにしてた。 このワイン、うまい。 あのタンニンの気持ちの良いグンっとした感じがしっかりあるのに、ナクナクという多少不快さを伴う類のえぐみが全くないのだ。 とても近い感覚なんだけど、快だけが奇跡のように残っているのだ。 なんでだ?  ワインに感激してると、クラテッロという今回初めて仕入れることが出来たというなにやらレアな男らしい質感の生ハムと、グリッシーニ(堅い細いパンの棒みたいな)がすぐにやってきた。 うまい。 いまでこそマクロビで玄米の至極のうまさに開眼したものの、もともと生粋の珍味好きとしては、このクラテッロはたまらないものがある。 そしてグリッシーニがまたうまい。 この店は釜が良いのかなんなのか、ピッツァやパンなどの粉ものを焼いたものが抜群にうまい。 そしてこのプリッツの王様みたいなやつも例に漏れず絶品。 粉ものの奴隷さぽちゃんすはアミューズで早くもオルガスムスに達し、ビクンビクンいってる。 続いて冷製魚介のコンソメ仕立。 ウニ、タコ、甘エビ、不思議なジャガイモみたいな野菜とゼラチン質に半分固まったとろぷりのコンソメソースが気持ちよく合う。 じゅるじゅるみちゃみちゃとした食感が気持ちいい。 薄味に敏感になってるぼくらはこのぐらいが実はたまらない。 とはいうものの、次に登場したフォアグラだって十分楽しめる。 食べてうまいんだからしかたない。 ラフランスとマンゴーのスライスに、フォアグラのソテー(これ、溶かさないように焼き色付けるのがむずかしい)が乗っていて、こってり油とさっぱり果実が口中料理ですごいことになる。 ほんとにうまい。  続くオマールと奥松島かきフルーツトマトのオーブン焼き添えをえびす顔で食べ終わる頃、ワインがあいてしまった。 あんまり美味しいワインだったので、同じ銘柄のグラスワインをもらおうとおもったのに残念終了したとのことで、違うワインを頼むがこれまたうまい。 あの、全部うまいんだわ。   ぼく的に今日のナンバーワンだったのが、次の焼きたらばがにのタリオリーニ(細い平打ちパスタ)だ。 ボーノはパスタがいまいちというイメージがあったのだが、この一品で完全にその偏見は消え去った。 あんまりうまくてどう説明していいか全然わかんない。 ぼくの体がパスタにもとめる欲求を、ひとつもこぼすことなくことごとく満たしてくれたパスタは、ものすごくお腹がすいているときにいまはなき福島のレパコ(パスタ専門のレパコ)で食べた「いかペペロンチーニ」以来である。 ぼくは何年も前に食べたその味が忘れられなくて、ずっと外食パスタにその思い出に美化された味を重ね続け、失望してきたのだが、味の系統がまったく異なり、しかも結構すでにお腹にはいっている状態だというのに、ついに、ついにあの味と同じレベルのパスタに出会ったのだ。 すげー。 すげーよ、ボーノ!!! もう二度とパスタがいまいちだなんていわないよ!! は! ボーノ、まさか君、きいてたのか?。  ところで驚いたことがひとつあって、ずっとナプキンを使わないでいたさぽが、終盤で何気なしにそれを広げると、なんと中に筆でハッピーバースデーと書いてあった。 なんで知ってるの???  ふたりとても不思議で、なんでだなんでだとあれこれ考えるも、さぽの中では「しげちゃんがこっそりやったのか」という疑惑も多少生じるのは必然で、しかしぼくはそういう類のどっきりをこの上なくサブいとみなすニンゲンなので(物理学者の前で突然中に浮くとか、ここまできて実は女性だったといってまんこをさらすとか、そーいうのは大好きだけど、こういうのはほんとにいやだ、理由抜きで身の毛がよだつ)、間違ってもぼくでないことをはっきりとしておき、で、結局それは謎のままだった。 やるなボーノ(店がやるのはサブくない)。   最後の料理は羽黒町産仔羊のローストトリュフのソースで、若くしてコロされた羊には悪いが、このころにはすでに動物性タンパク質はけっこう飽和状態で、ぼくらが夢中になったのは生まれて初めて食べるトリュフ(黒トリュフ)の方だった。 まるで木を食べているようなその素朴で奥深い味に、ぼくもさぽも完全にやられてしまった。 うまい!  前にもたしかここで食べた不思議デザート「カッサータ」の、アイスなんだけどアイスじゃない独特の感じを楽しみ、しめはお決まりのエスプレッソぐいっ! 大満足。 

帰り際に一階でさぽのジオスの知り合いの娘とその旦那になるハワイ出身の人と会い挨拶。 その娘は来年ハワイに嫁ぐのだそうだ。 いいなー。  家に帰り、焼酎を飲み、記憶をなくす。

2004-12-18-SAT

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送