No.869 不通則痛(通じざればすなわち痛む)

ここのところずっと背中が痛い。 嫌になるほど痛い。 酷いと内臓までその働きがもやっと鈍ってきてしまい、何にも集中できなくて悲しい。 痛みは移動する。 背中を基本にして、座骨神経のほうに移動したり、上腕から指先にまで及び、稀に歯痛や、頬の筋肉のこわばりなんかも出てくる。 移動するともともと痛かったところはまったく痛くなくなったりするし、かすかに残っていたりもする。   どっからどうみても、明らかに、神経痛の症状である。   漢方でいうところの六淫(りくいん)、その中でも神経痛に影響するといわれる寒邪や燥邪、そして風邪(ふうじゃ)が暴れるこの季節は特にひどい。 背中にホッカイロや温感湿布を貼ったりして、なるべく自分自身は温かくしてはいるのだけど、しかし季節がその地域にドンと据えた絶対的な「寒」というのは、己が直接感じていなくても不可知なところで体には影響してしまうらしく、気・血・津液の流れる通路である経絡の運動障害が慢性的に起こり、神経や筋肉を栄養できなくなってしまい、痛みや痺れがいろんな部位に、突発的におこってしまう。 外的要因に加え、内的なストレスも複雑にからんでいるのだろうから、もう「安原茂(かすかにたぎる)」という物質、現象からこの神経痛を排除するということはできないんだと思う。 神経痛も含めての「安原茂(かすかにたぎる)」なのだから、このぼくは。 いいんだ、痛かったり苦しかったりしたらその分、得るモノがたっぷりあるんだから楽しいんだ。 ほんとにそうだ。 あれらしいよ、文壇のひとってのは大抵容姿が悪かったりうまく話せなかったりして小さいときからぱっとしなくて常に人の影に隠れてじっくりモノゴトを観察してたからあれだけいろんなことを正確に見抜けるようになったらしいよ。 生まれながらに平均的な容姿で健康的な性格だと女子アナみたいなうすっぺらい喜びの中にしか生きられない人間に育つのを考えると、五体満足健康第一というのも実はあるものすごく限定した角度から垣間見た、一風景でしかないんだなと思えてくる。 人が偉業を成す直前に、天はその人がまずもって超えられないであろうすざまじい災難をぶっちけるというが、感心するのも束の間、そりゃ当たり前のことだね。

2005-01-13-THU

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