No.872 逆もしかり

ひどい雪だ。 ここ3年で一番降ったんじゃないかしら?  ほんとにひどい雪だ。  朝から我が駐車場の除雪が本格的に開始され、除雪車がはいるというのでクルマを近くの公共機関の駐車場に移す。 んでお風呂にゆっくりつかってあらゆる場所に花束がを読み終える。 この人の文章から喚起される映像はぼくもとてもよく知る映像で、なんでこれ知ってるんだとよく驚かされる。 ぼくがアニメでもなんでもそのイメージを納得いくレベルでつくって彼にみせたら、たぶんびくっと驚いて「そうそう、まさにこれ、なんでわかった?」といってくれるとおもう。 ほんとに不思議なくらい明確なイメージがピンとくるのだ。 そんな人の文章だから当然読んでいて楽しかった。 壊し方に狂気にも似た品があるというか、ギリギリのバランスがすごい。 とてつもなくくだらないとみなせばほんとにそうなってしまうあたりがすげー。 そういう風に作りたくても作れないもんでしょう、普通、人は。

豪雪の中、今週もそば屋巡り。 今日は、比較的若い人が主人の、蔵を改造してつくったという、器だの便所だの、あまりにも凝りすぎていて船長夫妻が愛をもって苦笑失笑気味だった「吉里吉里」というお店へ。 意外に広いお店で、土間には薪ストーブ、畳のヘリはうんと美しいお屋敷などで使われるあのギラギラしていない高いやつ、テーブルは角材をつなぎ合わせた手作り感たっぷりの無骨なもので、障子もなんだか品のあるようなバランスの古き良きもので、おしぼりなどもうるさくならない程度に凝っている。 音楽はミスマッチと簡単にはいえない日本とブラジルの不思議な繋がりを感じさせるブラジル音楽、と、かなりがんばっているお店なのです。 がんばっているので、がんばっているなりのがんばっているオーラが出てしまい、やはり店をデザインするというのはとても難しいなとつくづく思う。 がんばる人は、そもそもがんばることで滲み出るようなダサさがとても嫌いな人たちのはずなのに、しかしがんばればがんばっただけ、がんばった跡がくっきりとみっともなく残るという無情。 洋服屋は洋服屋である以上どうあがいてもかっこよくはいれないという摂理。 いきつくところはかっこいいことはなんてかっこ悪いんだろうで(逆もしかり)、でもね、こんなこという奴は身動き獲れないで言葉に溺れて死んでしまう屑なのだ。 いいじゃねーか、がんばってる人たちを応援しようじゃないか。 滲み出たかっこわるさにも根拠のない自信をもってどこまでも突き進めば、それはもうそんな価値観ではかれないような絶対的な現実になるのだから、と、おもうのですわ。 そうでも思わなきゃ、人間としてよしとおもえる状態なんてほんとに廃人みたいな状態しか残らなくなっちゃう。 しかもそれだって外側からみて、の話だから己がどうあるべきかという話とは分離する。 ややこしいのだ。 そういうややこしい話はさておき、さて、はじめに頼んだ自家製寄豆腐、これが馬鹿ウマ!! めちゃめちゃ濃厚な、枝豆のような味のする、ぐっとおもい豆腐。 塩、醤油、わさびがついてくるのだが、やはり何も付けずに食べるのが一番上手い。 続いてやってきた天ぷらの盛り合わせもアツアツで最高に美味しい! いいじゃないか、吉里吉里。 すばらしい店でないか。 盛り上がっているところに、ざいごそばとざるそばのあい盛りがやってくる。 もちろん期待して食べる。  ………あれ?    …もう一口食べる。   ………????       ……な、なんだろ。 味がしない。  どんなに集中して味を探ろうとしても、風味がほとんど感じ取れない。  これはどういう意図だ?  他の食べ物から連想するに、こういう味をここの主人が良しとするとは想像できなかった。 どういう経緯でこういうそばを良しとしたのか、これはどういった境地なのかをきちんとわかりたいとおもい、ふたりものすごく集中して味覚に深く入り込むも、やはり感想は最後まで「味がしない」だった。 ん〜〜、惜しい! ぼくの到達していない価値観なのかもしれないけど、残念ながらこのそばをもう一度食べたい!!!とおもうことは現時点では想像しがたい。 ここのそばがあらくさのそばだったら、かなりの頻度でくるそば屋になったろうに!!  惜しい!!  寄豆腐やその他のサイドメニューがとてもおいしいだけにとても惜しい!!  で、とても惜しいそのそば屋には先週から探していたそば屋の本が置いてあったので、来週以降のそば屋巡りのために買って帰る。 帰り際にはいったトイレと洗面台のあまりのがんばりように最後にもういっぱつ喰らった感じだった。 がんばれ吉里吉里! いろいろ惜しいぞ!

食材その他生活用品を買うためにいろんなお店に走ったのだが、雪害が思いの外ひどく、半日がそれで終わってしまって二人くたくたになって家に帰った。 家に帰ってからはぐったりまったりと過ごし、夕食後、正月にさぽが録っておいた向田邦子作のドラマ「冬に運動会」をみて感動。 とても丁寧に作られたドラマで、終始気持ちが良かった面白かった。  で、一日だけの休みが、その半日を雪のおかげでうんざり気分で過ごす羽目になったのを取り戻すべく、そっから意地でまた遊んでしまったらついつい夜更かししてしまった。 最近はヨガのために4時50分起きが基本なので、夜中1時を回るとぞっとしてしまう。

2005-01-16-SUN

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