No.932 今日も酒田

1日酒田。 つかれた。 担当者がローカルではめずらしいほどかなりしっかりと考える人で、ライターへのプレッシャーがかなり高い(その人がライターあがりでかなり揉まれてきたことを自負しているので、こちらにも妥協をゆるさない)。 デザインは基本的に気に入られているみたいだけど、いきなり打合せ中にこの3点の写真をこういう撮り方で使った理由を、ハッタリでもいいからいってみて、と急に振られたのにはドギマギしてしまった。 いろいろ考えて作ってる(つもりの)割にアドリブとなると大したことが言えない自分がもどかしい。 なんとか屁理屈をこねて大層なことをいってはみたが、どうもしっくりとこない、稚拙で平板なことをいってしまった感が残った。 「自分が考えている」と思っていることっていうのは、本当はいろんな記憶(自分が共感した、「人がいっていたこと」も含めて)のもしゃもしゃでしかなくて、実はしっかりと筋道立てて操れるレベル=自分の考えと呼べるレベルには達していないんじゃないかと前から思っていたが、それを身をもって実証してしまった。 現実的に表現する力をつけないとだめだ。 ほんとはちゃんと分かっているなんていくらいったところで、分かっていないようなことしか言えなかったり出来なかったりしたのでは、口だけとみなされて当然だ。 逆にいったらちゃんと言えてる人、出来ている人ってのは、その内容はさらに奥深く豊かなものなんだということか。 表現力だけが突出してる人なんてのは稀だろうから。   ラストリーフという絵本屋さんに取材にいったのだが、ご主人がとてもいい人だった。 もともと東京で写真を撮っていたんだけど、年齢による体力の限界を感じて、他にもいろいろあって地元に帰ってきて、昔から好きだった本にたずさわる仕事がしたいってんで、絵本と喫茶を合体した店をひらいたのだそうだが、まず、店に入ってすぐに聞こえてきたアンダーカレントでもうなにもいうことはなかった。 すばらしい。 絵本屋なんだからオルゴールとかファンシーなものを流しなさいとよくいわれるそうだが、あいつらはせいぜいいても30分だけど自分は1日中いるんだから音楽ぐらい自分の好きな曲を聴く、と、とても控えめで善良で、しかし芯のある強い人間がわかるすごく好感のもてる話し方でこぼしていた。 いい人だ。 小さい頃から古本屋が大好きで、どこにどの本があるか全て把握している店の主人にたいそう憧れていた、というときのうれしそうな顔ったらない! ぼくはとてもうれしい気持ちで、取材のやりとりをすこし離れたところから耳をうんと大きくして聞いていた。 とてもいい人だ。   念願の土門拳記念館にも取材にいき、撮影そっちのけですっかり見て回り、ガツンとやられ、お寺シリーズのその尋常でないこだわりっぷりになにか痛々しさにも似た美しさとおこがましいが共感を感じ、あまり入りこまないうちに外に出て、白鳥と至近距離で戯れ、外観を撮影し、帰った。  帰りみちに清川屋というなにやら最近全国的にも評価の高いらしい、だだ茶豆を中心としたお菓子だの食品だのあつかう店にいき、試食し、購入し、だだ茶豆ソフトを食べたりして1日の疲れを癒した。  やー、疲れた。

2005-04-13-WED

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