No.936 鈍行列車旅行三日目

ホテルシーサイドでの朝。 佐渡は今朝は曇りで風が非常に強い。 朝ご飯をたべ、今日の大体の予定をたてようとおもったのだが、鈍行列車のダイヤは思いのほか融通がきかず、それにフェリーの時間がからんでくると、もう今日はただ帰るだけの日であることに嫌でも気づかされる。 ちゃんす先生は家につくのが遅くなるから今日はバスで帰ろうと提案するも、ぼくは長距離バス移動がとても嫌いなので、さぽはバス、ぼくは列車でそれぞれ好きなように帰るのも楽しいんじゃないかと提案。 ふたりで来てるからといって、必ずしもずっと一緒に行動しなくちゃいけないということはなく、ぼくとさぽは常にそういうベタベタした恋愛的洗脳の外側を歩いてきた自負があるので、この提案は決して極端な、特異なものではなく、ぼくたち的にはごく普通の、日常的な、ひとつの選択肢であることはことわっておきます。 人と話していると、「それはひどい」みたいなことをお互いよくいわれるが、あなたがたの尺度が絶対だとは思わないでほしい、といつもふたり憤慨している。   しかし結局はふたりで昨日残した酒を飲みながらゆっくり電車で帰ろうぜということに落ち着き(酒は一本しかない)、とりあえず本土にもどらないといけないので9時半発のフェリーで出発。  書き忘れたが、実は昨日一日中浅い編みの帽子をかぶっていたせいで、額の上側2センチほど、くっきりと日焼け跡が残ってしまった。 あまりにもはっきりとしているため、これはみっともないかしらと、焼けた部分にだけ日焼け止めを塗って、今日は帽子をかぶらず、昨日と逆の部分だけを焼くという荒技にでた。 昨日同様フェリーの屋上の白い箱状のモノによっかかって太陽の方をむいて本を読んでいた(酒もある)。 しかし今日は昨日ほど太陽が強くなく、あまり効果はなかったようだ。  佐渡発のフェリーには、新潟発のとはちがって、カモメに混ざって鳶もついてくる。 カモメに餌をやるぶんにはクチバシが指にあたっても噛まれてもちっとも痛くないんだが、いきなり後ろから疾風のごとく現れる鳶にやられると、血が出るぐらいの勢いでもぎとっていくもんだから、痛い。 怖い。  決定的瞬間をおさめようとしばらくふたりでカメラを交換して餌付けをねばったのだが、結局これ!という一枚はとれなかった。 残念。

新潟到着。 腹がへった。 海の新鮮なものを売っているらしいテントをメッセ向かいに発見し、飛びつく。 焼きたての鮭、ホタテ、いか、刺身定食などを買って、食べる(酒もある)。 これこれ、こういうのを待っていた。  旅にしまりがでた。  満足して、また歩き出す。  新潟駅について、きっぷを購入、ぶらぶら駅内を歩き、本屋で時間をつぶす。 町田康の新作(時代物!)がいつのまにかでてて欲しくなるが、読むモノはいっぱいあるからまだ買っちゃだめだ。 旅先で買うにはあまりにもでかいし。   時間がきて、坂町にむけて出発。 今度は明るいから海が見れるかとおもったが、そういう景色はついにあらわれなかった。  景色はあきらめて、集中して本を読む(酒もある)。 帰り道の醍醐味、楽しい。 坂町で乗り換え、米沢へ。 ここの景色はおもしろい。 山や、里や、渓流が、これでもかとドラマチックに展開する。 うっとりする。  米沢到着、時間は19時。 牛肉とどまんなかの組み合わせで全国二位の名誉を勝ち取った噂の駅弁を食べ、電車まち(酒もある)。   20時15分、山形行きの電車が出発。 ぼくら、ここで完全に飲みのスタイルになり、ビーノ桜えび味をつまみに、宴会。  楽しい。  といってもほとんど一日中酒を飲んでいたようなもんなので、そのモードもすぐに飽き、おたがい本を読んだり寝たり好きなことをし始め、山形に着いた時に一瞬ここがどこかわからず、混乱しつつもこんなでかい駅他にないはずだとホームに降りてみて、例のでかいビルをみてはじめてここが山形だと確信する。 酔っぱらっているのか?  で、最後は気持ちよく家まで歩いて帰り、うんと寂しいおもいをさせてしまったミミにあやまり、うんと愛で、すぐに寝た。 明日からの日常に備えて、うんとはやく寝た。

2005-04-17-SUN

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