No.944 禁ポキ

ぼくは中学生くらいのときに「天才たけしの元気が出るテレビ」で島崎がチンパンジーの首を後ろからひねってコキっとやっているのを見ていらい、自分も首を鳴らすのが癖になってしまい、そのうち首だけでは飽きたらず、偶然鳴った顎だの背中だの肘だの肩だの股間だのがどの角度でどうしたら鳴ったのか分析してすべて任意で鳴らせるようになり、ほんとに日常的に無意識に体中をポキポキゴキゴキやるようなアホな癖をつけてしまった。  最近いろいろと調べていたら、どうもぼくのここ数年のそもそも身に覚えのない自律神経系の変調や、背中の異常なハリ、頭重感、手足の痺れなんかは、実は全部この慢性的な癖が原因ではないかと思い始めた。  特に首と背中は中枢神経が通っているところなので、この内部で軟骨等の変形が運悪い方向に発達してしまったら、まさにぼくみたいな症状がでるらしいのだ。 なんと、己の健康な体を自らダメにしてしまっていたのか、ぼくは……   確かに、首を思い切りゴキリリリと鳴らしたあとは決まって頭がぽわ〜んとして、顔の中の血流の圧力が変わり、そのうち肩がはってきたり手足が痺れてきたりすごい頭痛がおこったりと、おもいかえせばそういう因果関係を疑ったことは何回かあったのだ。 それでもなんとなく肩が重いときなんかは一瞬の快楽を求めて、というかほとんど無意識に当然のようにゴキゴキ鳴らすことはやめられず、今にいたるのだけど、ここにきてこうはっきりとした情報をいろんなところで見つけてしまうとさすがに恐ろしくなった。 やらなくなれば治る、というレベルではもうないのは自分でわかるが、しかしこれ以上続けたらかならずこれのせいで死ぬ、ということもわかる。 もう、金輪際ポキポキしない。 ストレッチの際も、できるだけ鳴らないようにゆっくりジワジワ動かす。 ほんとにやばい、こわい。  ちなみに二十歳前なら2週間やめれば炎症がおさまり、2〜3ヵ月で軟骨も元に戻り、例えば太くなった指の関節なんかはすっかり元に戻るらしい。 とっくに二十は過ぎているとはいえ、やめることで少しは改善するであろう希望がもてた。  あと、どっかの国の少年が得意になって体中をポキポキしていたらある日いきなり半身不随になってしまい、しかし手術で頸椎あたりをこにょこにょしたら再起した、という話しもあって、これは恐怖と希望の両方からの燃料投下となった。  禁ポキ生活一日目、さっそく無意識で指をならす自分にぞっとした。

2005-04-25-MON

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