No.985 芭蕉の湯

午前中、社長にそば話を持ちかけたところ、じゃあ昼食べにいくかっつって、近くにある天狗食堂なる店につれてってもらった。 天ぷらそばをごちそうになったのだが、これがなかなかおいしかった。 ここのはあっさりとしたそばだが、社長はまさに田舎蕎麦ってのが好きらしく、あらきそば最高らしい。 ぼくのお気に入り梅そばは完全否定だった。 あんなもの素麺の兄貴だ。と。 ふは。    食べなかったお弁当を夜ごはんにする旨をさぽに伝えると、じゃあ今日は飲みに行ってそのまま泊まってくるということだったので、ちっと仕事も混んできたので残業することにした。 遅くなってもう帰ってもどうせ家ではなにもできないのと、弁当だけでは小腹がすいたのと、以上に体が張っていて気持ち悪いのとで、さてどうしようと考え、会社の近くの芭蕉の湯というスーパー銭湯にいくことにした。 まず冷麺を食べ、それから風呂へ。 久々に銭湯にくるとやっぱり楽しい。 家では味わえない、独特の楽しさがある。 家とは違うとても洗いやすい洗い場でここぞとばかりにペニスやアナルを入念に洗い、隣の人なんかさっさと洗い終えそうだったので、「せっかくこんな広くて洗いやすくて鏡までついてるんだから、もっとペニスやアナルをきちんと洗いなさい」といってやると、「ぼくは肩幅がすごく狭いでしょう。だのでそういうこととは一切無関係なんです」だと。 なんのこっちゃ?  泡風呂に流されないようにふんばりながら湯船に浸かり、まわりの客をみわたす。  妙に筋肉質で、キチガイのような顔つき、海苔で出来たカリフラワーのような頭のおっちゃんが、チラチラみんなを見ては「このひょろっこがぁ」という顔でみんなを見下している。 ぼくがちょっとおもうところあって「あんたぁ、すごいインテリなんだろ」と大声で叫んでみると、こっちをギロっとすごい顔でにらみつけ、とんでもない勢い、あわてっぷりで風呂場をでていった。 あんまりすごい顔だったので殺されるのかと思った。  内山クラスのデブがふたりいて、あんまり似ているからどっちがどっちかなかなか区別がつかずに困ってしまった。 露天の白い寝ころべる椅子に横になっているデブと、サウナにはいったりでたりしているデブ。 ふたりが同時にウロチョロしたあとは、どっちがどっちだかわからなくなり、さっきまで寝転がっていたデブがまた同じ所に寝転がったのか、はたまた新しいデブがさっきまで似たようなデブがいた椅子にたまたま同じように寝転がったのかがわからない。  ひとつの銭湯にデブはひとりにして欲しいもんだ。  さっきの妙に肩幅の狭い男は、視界の右から左に消えたかと思うと、またすぐに左から右へ横切る。 せっかく銭湯にきて、湯船にも浸からず、ペニスもアナルも適当に洗って一体なにをウロチョロしているのか。 まあ、そういうこととは無関係なんだろう。  久しぶりにサウナに入り、5分ででて水風呂に浸かり、またサウナへ。  水風呂にはいっている間にサウナのメンバーはかわっており、なんとさっき慌てて逃げ出したとおもったキチガイカリフラワーと、デブと、もうひとりのデブと、そしてそういうこととは無関係な肩幅の狭い汚いペニスの男が全員そろっていた。  なんだなんだ、これじゃベストアルバムじゃないか。    風呂からあがり、体重をはかり、3キロも減っていることに驚く。 おそるべしサウナ。 3リットル水を飲まなくては。  今日会社で、「安原さんは見なそうだ」「うんみなそう」とかなんとかすれちがいざまに話をしていたので、「なにをなの?」と訪ねると、「あいのり」というテレビ番組の話だった。 ぼくは確かにもともと、そして最近はいっそう、テレビが見れない体質でして、「うん、見てない、なんかテレビを見ていると時間がどんどんなくなるようで焦ってくる」と正直に告白。 まして「あいのり」などという色恋沙汰をとりあげたものは、見ていて鳥肌がたつ。 もともとぼくは恋愛の相談をしてくるようなやつはとてもだめでして、いや、だめとかいうんじゃなく、正直どうでもいい。 ほんっっっっっっっとにどうでもいい。 だれがだれとどうなろうが、セックスしようがするまいが、とったりとられたりしようが、別にどうだっていい。 バカバカしいとかくだらないなんていって調子にのっているわけでもなく、ただただ、ほんとに、心の底から、興味がない。 どうでもいい。  と、おもっていたんだけど、お風呂あがりに休憩コーナーみたいなところで、たまたまその「あいのり」が流れていた。 で、なんの気なしに、ジュースを飲みながら風呂上がりの余韻をたのしみつつそれを眺めていた。      しばらく見ていておもったのだが、いやぁ、他人の恋愛って、おもしろいね!

2005-06-06-MON

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