No.1002 融合

ひさしぶりに早く帰ると、ミミがなつきすぎておっかない。 ぼくへの愛情があまりに大きすぎて、もうこれは食べてしまってひとつになるしかないという結論にあの小さな頭なりに達したようで、3ヵ月ぶりにゲームなんかして舞い上がっているぼくの足を、じゃれて甘噛みするなんてもんじゃなく、本気で食いちぎってやるという決意でもっておもいっきりかじってきやがる。 ぼくも食われてたまるかと、半分はゲームに心を残したまま応戦するも、やつの決意、あるいは食欲は相当なもので、のこり半分の心も費やして、時間をかけ、ようやくわかってもらう。 わかってもらったつもりだったが、それは人間の勝手な、都合の良いようにモノゴトをみるバイアスがかった「つもり」だったらしく、またぼくが3ヵ月ぶりのゲームに熱中しだすと、網戸で涼しい夕方の窓際で気持ちよさそうに外を見て落ち着いていたようにみえた彼女はノッソとたちあがり、そしてまた当たり前のようにぼくの足を食べだす。  ぼくも3ヵ月ぶりのゲームをそう何度も中断したくないし、そもそも痛いとか死ぬとか自分とか個とか人とか猫とかひとりとかふたりとかどうでもいいとおもう性格なので、そんならすきなだけ食べればいいさと、どんどんなくなる己の左足を放ってひさしぶりのゲームに集中することにした。 とても痛いが、しかし「とても痛い」なんていうのも所詮感覚遊びと言葉遊びの延長だといいきかせ、有るもにゃいも始まりも終わりも入口も出口もみんなニンゲンたちの作り話にゃんだからこんなのちっとも痛くにゃい、ていうかしげちゃんの足、とってもおいしいにゃ。  あれ?

2005-06-23-THU

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