No.1014 熊太郎

「告白」読了。  魂がうちふるえております。 すごいものを書きました、町田さん。 終盤、町田節が息をひそめてからの息苦しいくらいの救いようのなさが、あまりに切なく、美しく、そして熊太郎の最後の一言をもって、この作家は突き抜けました。  あんまりにもあんまりなその一言に、ぼくは深夜、全人格がグラグラになるぐらいの衝撃を受け、この人は、町田康はなんなのだ? いつのまになにになったのだ? この人はといったがそもそもまだ人なのか? と興奮し、寝付けず、涙とまらず、で、あとになって町田のインタビューをみたら次のようなことをいっていて、やはりそうか。

〜だから、そうなるのはもうほとんどわかっていたんですけど、やはり最後のシーンは自分で書いていてつらかったですね。 もうちょっと助けられないものかなぁと……。 城戸熊太郎という人は本当にいろいろなことを考えていろいろなことを言うわけです。 言葉がない人でもあるけれども、言葉しかない人でもあるわけですね。 その言葉しかない人が、最後に、本当にギリギリのひとことが言えるかどうか。 小説が最終的にどこにいくのかはだいたい決まっていましたが、最終的にどうなれば僕がこの小説を「書いた」と言えるかどうかは、もうその「本当にギリギリのひとことを言えるかどうか」にかかっていました。 そのひとことにいくまで、城戸熊太郎の歩いた道を、自分も一生懸命に歩いていくしかないということです。〜

2週目にすぐはいろうかと思いましたが、ちゃんすにぜひとおもい我慢。 「浄土」でも買ってこよう。

2005-07-05-TUE

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