No.1017 記念日飲み

昨日の結婚記念日乾杯を今日に持ち越し、ちゃんすとふたり、飲みにでかけた。 飲みにでかけたつもりだが、しかしどうしてもとんかつタイガーのとんかつが食べたくて、がっつら食事モードにオマケ程度のビール、それで乾杯。 記念日記念日していないこのグダグダ感がとても良い。  とんかつタイガーのとんかつは、小麦粉を使っていない上にこだわりの自家製パン粉使用で衣がぺったりうすくて独特。 これこそが一番うまいとんかつのあり方なんだ馬鹿野郎というご主人のこだわり。 で、ほんとにこれがうまい。 特にはじっこの脂っぽいところとこの衣の感じがとても良い。 うまい。 辛子とソースとケチャップをつけたりつけなかったり一緒につけたりいろいろやって楽しんで食べる。  こんなにうまいのに、なぜか夜の客はぼくらふたりだけで悲しい。 七日町の奥まったところにあるとんかつ屋にはなかなかくることにならないもんなんだろう。 現にぼくら、気になりつつも10年近くスルーしてたもの。 もったいない。   当然飲み足りないのでどっか初めての所を開拓しようと七日町を一周するも、どうもピンとくるところがなく、この機会にうちからめちゃめちゃ近いがこれまたスルーし続けてた「芽華根(めがね)屋」という小さな飲み屋に行こうということになった。 ここは会社の高根というびっくりするぐらいコンサバティヴな性質の同僚がいきつけの店で、よくそのすぐ近くのコンビニではちあわせる。 はちあわせたとき、せっかくだから一緒いかねーかと何回か誘われたが、たいがいぼくら映画のあとで充足しているときだったので断りつづけてきた。  店の中はおもったより奥に広く、ほうほうとみまわしながらカウンターに座る。 ちゃんすは一度無印のマネージャーときたことがあり、むこうがそれを覚えていて声をかけてきた。 「高根の先輩の」とたぶんそのときぼくのことを話したのでそういってきて、そしたらカウンターに最初からいた男が「会社の先輩ですか? ぼくはバイトの先輩だったんですよ」みたいなことをいってきたので「ほほ、そしたら先輩つながりですな、ほほ」といって流し、焼酎をたのむ。 ボトルの方が安いというのでまあ近いしボトルがあってもいいかしらんと、白波一本キープ。  なんだか頼んでないものが次々に出てくる店で、どういう料金システムなんだろうと落ち着かないながらも不意に煮込みやら枝豆やらまぐろやら出てくるのはそれで楽しい。 主人が、金がなかったら別にいらんよ的どうでもええやんキャラなので、なりたってんだろう。 さっきのバイトの先輩男も客なんだか店員なんだかわからないほどよく働き、この店はみんなこの主人が好きで遊びにくるみたいに通って、で、主人もまたなんだか自分ちみたいに適当にふるまったりこきつかったりするような感じなんだわ。 いいじゃない。  1時間くらい飲んで、冷房で後頭部がチンチンに冷やされてしまったので家に帰る。 帰り道、服部邸の高い塀の向こうからは、いつものように蛙のような謎の生き物が鳴いている。 ギャギャ! ギャギャ! あまりに悲痛なその叫び声のような激しい鳴き声を、ぼくらは服部が呪いで蛙に姿を変えられたその声ではないかとにらんでる。 服部は死んでいないのだ。 あまりに大きな権力を手にした彼は、「ならおっとりと蛙として残りの人生楽しもう」とはとても割り切れず、いつまでも「戻せ!戻せ!このやろう!だれだとおもってんだ!はっとりだぞ!ウスノロが!おい!おまえら!外あるいてるおまえらだ!戻せ!おれをもとの姿にもでせ!おい!おい!おい!いくな!おい!小市民!おい!馬鹿!死ね!かす!おい!たすけて!」なんつって毎晩塀の外を通る人に助けを求めて叫び続けているのだ。 おいたわしや。

2005-07-08-FRI

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