No.1179 サヨナラcolor

風邪がよくならん。 なにせ寒い。 どうせプールに行けないので、今日も昨日につづき、映画を中心に据えた生活。 ちゃんすを昼過ぎに無印に迎えにいき、そのまま買い物をすませ、「さくら」という自然派和食バイキングでランチ。 ランチなのに1500円とかなり高いが、値段に恥じぬクオリティの高いいろんな創作メニューを好きなだけ食べれると思えば逆に安いくらいだった。 唐揚げや天ぷらもちゃんと美味しくて感心。 夜の分まで食いだめした。 ちゃんすは300円分ほど食べて「やばい、はらいっぱいだ」などとたわけたことをぬかし、本人もそれではまずいとがんばって食べて、食べて、死にそうになっていた。

今日は待望の竹中直人新作、「サヨナラcolor」。 竹中は、笑いも演技も監督も、ずばぬけて好き。 かいてかいて背中をかいてと言って、靴のつま先で床を引き寄せるように軽やかにカッカと蹴り、あ〜そこそこ、なんていうとんでもないネタを思いつく人間を、ぼかぁこの方以外に知らん。 こんな心の正直な人を知らん。 大好き。 夢のように好き。  で、映画。 すげー。 も、の、す、ご、く、よかった。 東京日和以来のやばいもん。 なんんつーか、派手な良さ、ではなく、ひとつひとつがびっくりするほど丁寧に、純粋に、ぴかぴかに、つるつるに磨き抜かれ、一個一個確実に納得いって作っていけたであろう幸せがこっちにまで感染してくるような、「ほんとうにいいもの」だった。 これなんだよ、これ。 なんで現実に、形にできちゃうんだ、竹中先生。 これは、現実の気持ちの悪い波にさらわれているときに、その毒があるからこそ浮かぶ蜃気楼のようなもののはずなのに、なんで先生はなにもないところでこの完璧でぴかぴかしたこんなすてきなものを独立して存在させることができるのですか? ありえないです。 こんなことはありえないです。 こんなことがあってしまっては、ぼくはこの先希望に満ちたぴっかぴっかな世界を生きていくことになるではないですか。 なんつーことか! ぐはー!  とにかく懐がでかい(映画全体が、どんな人も追いつめない、排除しない)、それなのに細かなセンスがパーフェクト(相変わらずの竹中節が随所にとんでもないギリギリの完璧なバランスでちりばむ。「ガンラスィ」には死ぬかと思った)。 博愛と完璧主義者という一見両立できそうでいてその実もっとも極端な二律背反が、みごとに共存してちゃっていて、共存しづらい物同士がみごとに共存しちゃったもんだから一層美しい! 圧倒的に美しい!  どんな穿った目でみても、こりゃやられちゃう。 ササキン最高。 白痴でドストがえがいたムイシュキン公爵よりも、ぼくはササキン派だ。  ここがクライマックス然としたところでなく、自分として一番いいところで自然につーと涙がたれて、それがとてもうれしかった。 自分として一番いいところでつーと涙がたれるのはそりゃ当然なのだが、それでも自分として一番いいところでつーと涙がたれることになった素直な自分の身体がうれしかった。 いや、やはりそれで当然なんだけど。

2005-10-22-SAT

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送