No.1221 広告サミット1

昼、会社の近くの北駅から電車にのり山形駅、そこから新幹線で東京へ。  雪景色がどんどんグラデーションで春のような景色にかわっていく。 竹村の音楽が実に心地良い。 池澤が翻訳した新しい星の王子様をこの新幹線のためにとっておいた。 こんなに集中して本だけに没頭できる時間はなかなかない。 東京到着と同時に読了。 すばらしいペース配分、そしてすばらしい内容。 これは、やばい。 テグジュペリ、あらためて最高だ。 この人は、おそらく、事実を書いたにすぎないんだとおもう。 どうみてもこの話には事実のみがもつ本当らしさがある。

すぐに原宿へ。 なんとなくラフォーレに到着、会場はそれほど混雑もしておらず、あっさり良い席確保。 広告と写真と題した、中島英樹さんが司会のトークバトル。 写真家3人(平間、ホンマ、瀧本)と、作品をみながらいろいろ話すという内容だが、実につまらなかった。 中島さんはとてもいいのだが、写真家がどれもかれもうすっぺらくて幼稚でびっくりした。 広告業界最前線にいる(ことになってしまうような)写真家てのは、考えて見りゃそりゃそうか。 あの程度の人間達があのぐらいの写真を撮れるとすれば、世の中やればいい写真をとれる人なんて腐るほどいるな。 それともスポーツ選手のように身体感覚によるものが大きいから人間性うんぬん関係ないのか? いや、しかし根本はアート、センシティヴなところだろ写真。 ホンマはたしかにアートを知っているのだが、斜にかまえた態度が中学生並で、はずかしくてみてらんなかった。 どこでとまってんだおまえらは? 瀧本は信じられないぐらい稚拙な考えしかもってないから話が広がらないし、ホンマはかっこつけてしゃべりたがらないし(おれはいいよみたいにすぐ人にふる)、平間はそうした悪い空気に浅いところで気を遣いすぎてて(ホンマさん退屈してるからホンマさんからどうぞとかいって下手したらなんもしゃべらない勢いで腕のストレッチなどしてるホンマにうまく振ろうとしてるが、どこか的外れ)痛い上に本人の発言も内容が薄いしで、司会進行の中島さん、もうどうしようもなくて死にそうになっていた。 最後の方は誰もが認めるグダグダな空気、失敗感が漂い、「もうぼく酒のみたいよ」と泣きがはいっていた。 明らかに人選ミスやね。  続いて広告とアートは共存できるかという内容のプログラム。 原田幸子というフリーのキュレーターが司会となり、ヒロ杉山、八谷和彦、タナカノリユキらとひたすら表題について話し合う。 これは抜群に面白かった。 全員かしこい。 国内外の「アート」「(ピュア)デザイン」「広告」について、実に真面目な態度で、柔軟に語るタナカノリユキがすごかった。 あらゆるクリエイティブの中に存在する「アート的なもの」についての考察が実にぼく的に共感できる納得のいく誠実なもので、司会という役のせいというよりもどこか「男性に負けたくない」という感じの激しさがきらめく原田が変にまとめようとするのをどこまでも否定してほぐして結論が大味なものに向かわないよう食い下がっている様子がうれしかった。 ヒロ・ヤマガタはアートだと思いますか?という原田の突然の恐ろしい質問に、八谷は「シルクのあの作品群はどうでもいいが、その後の彼の生き方そのものはとてもアートだとおもう」というようなことをいっていて、ちと気になったが、みんなの結論は結局「彼は知的コンプレックス」ということで落ち着いた、ようにみえた。 公なのにあんまり失礼で、おもろい。 後半はアートから広告がぱくることの危険性についての話が膨らみ、なんだかんだいって、クライアントがもっともっとがんばらないとしょうがないという話におよび、で、「仕事は楽しく誠実に」という実に明快で正しいタナカの一言が流れの中でとても意味のあるものとなった。 それにつきる。

大満足で会場を後にし、すれちがうすべての女子を視姦しながら渋谷にむかう。 お約束で一度代々木にいってしまい、あわてて引き返し、渋谷から東横に乗り換え、学芸大前へ。 カズが迎えにきてくれ、ひさしぶりの渡部家へ。 ビールで乾杯、ゆきえの用意してくれた鶏のカレーやパテを感激しながらいただき(めっさうめー!)、とても楽しい夜を過ごす。 しばらくたったころ、テレビの下に、なんと「用心棒」と「八月の狂詩曲」の豪華パッケージのDVDを発見。 そうだ、カズは黒澤大好きだった! 大興奮で映画の話で盛り上がり、途中焼酎を買いに行き、ひたすら飲み、語り、気づいたら4時半を過ぎていた。 ゆきえちゃん、病み上がりでゲホゲホだったのに遅くまでごめんよ…

2005-12-03-SAT

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