晴れた日に、広い芝生で竿をふり、あまった時間で木陰でセクスを玩ぶ。　ここの芝生はまわりのロケーションも手伝ってとても気持ちが良い。　昼休みがとても楽しく使える。　セクスにもあき、ちゃんすの読み終えた谷崎潤一郎の〈鍵〉を読むのだが、これがおもしろい。　夫婦のそれぞれのエロ日記の内容が交互にでてくることで話が進んでいくという構成なのだが、そのテンポ、バランス、キャラ立ちがすばらしいのなんの。　お互いがわたしの日記は相手に読まれているに違いないという妄想のもとで日記をかき、とてもしられちゃいけない心理のウラまでをあえて明け透けに書くことで興奮し、しかし相手の日記の存在はしっているがそれは自分は読まない、というのがいまぼくがよんでいるところのぼくがしらされるかぎりの状況。というのは、あくまでぼくがよんでいるのは二人のかく日記の内容であるからで、地の文の心の声・神の声ではないから、ほんとうのところはわからない構造だからだ。　これはいろんな仕掛けが成り立つとても面白いやり方だ。　ちゃんす曰く、どんどんおもろいことになっていくらしいのだが、出だしから強烈におもろいので期待で胸が痛くて仕事どころでない。　いや、この胸の痛みは小説の期待などからくるもんじゃないな。　気付けば右の踵や左手の指先や耳の後ろやらが変に痛くて、顔のナカなんてもう自分のものじゃないような違和感。　完全に自律神経が乱れているようす。　ぼくはこの季節、クーラーが唸りはじめ、天気がおもくしめってくる兆しを見せ始める季節になると、一体自律神経が乱れやすくなる傾向にある。　そして不思議と、さっきあげたような顔のナカの強烈な違和感や、あちこちの身に覚えのない痛み、胸の痛みなどが現れ始めると、慢性的に苦しめられている背中の痛みが嘘のようになくなる。　スイッチが切り替わったように痛みの性質や部位、性格が変化推移するあたりが、紛れもなく神経疾患らしいのだ。　しかし今日のはしんどいなー。　おもしろいのはみぞおちを軽く押すと、顔の中心がズキンと痛む。　糸でつながるマリオネットよろしく、人体とはかように単純な物理的な工作物であるものなのだと実感し、感激する。

2006-06-01-THU