No.1301 滝にそばがきに背毛にろうそくに

花谷くんが昨夜泊まり、夜中遅くまでしりとり(テーマは「毛」。自分の放った飛躍気味のワードを納得させるためのプレゼンもあり。ぼくのなかのMVWは花谷くんの「イレギュラー」。当然これはプレゼンの必要なく絶賛。だれも「い」で「育毛」なんてレベルの低いことをいわない、高いところでの戦いだった。)で盛り上がっていたわりに、みな早い時間に機嫌良く起きることができ、天気も良く、気持ちがいい休日のはじまりだった。 あんまり気持ちがいいので特別にミミを逃がしてやった。 ちゃんすが仕事に出かけ、花谷くんがドイツオペラを見守りにいったので、ぼくはしっぽりと「ぼくのなつやすみ2」で遊んだり、フライを巻いたり、ギターの練習をしたりして、ピカピカ天気の外の魅力をわざとじらす。 がすぐに耐えられなくなり、初短パンにビーサンで退廃姉妹を小脇に河原へ出かける。 すごい日差しで、今日から夏になったことを知る。 お気に入りの堰堤脇でコンクリに腰掛けてしばらく本を読むが、おもったよりもずっと暑くて、外読書はもうきつい季節だと思い知らされた。

午後、ちゃんすと上山へ。 2年前、フライを始めたころにいって感激した、萱平の滝を見にいく。 古屋敷村という廃れた観光地狙いを過ぎ、しばらくいったところに天狗なんたらいう廃屋。 そこの脇を抜け、山道を下ると、秘密の滝が表れる。 気を抜くと死ぬような崖っぷちの道を木の根っこなど利用しながら慎重におりていく。 今年はまだ釣りにいっていないので、このひさしぶりの生身の緊張感がたまらん。 滝の下には、水しぶきの風が吹いている。 とても気持ちがいい。 滝のおちるのをずっと凝視していると、そのうち水の落ちる速度と自分の視界をスクロールさせる速度とを完全に一致させることができるようになり、その瞬間水の白い複雑な形は、蝋細工のようにソリッドなものとして固まる。 すごく不思議で美しい。 前後の因果関係から推測した知識として、滝は水が落ちるものとして分かってはいるが、ぼくらがこの距離で感じられる「滝」のリアルな実感は、全然水とは関係ないものだ。 目を固定していればブラーのかかったとらえられない速い白い動きだし、動きを追えば、蝋細工のようなテロテロメリメリした気持ち悪い美しい塊の落下。 しばらく落下を見ていて、ふと動かないさらなる緑の遠景に目を移すと、景色がにゅわ〜っと歪んだ。 ちゃんすも同時にそれを味わったらしく、ふたり、その発見に大興奮。 人が「その場Y軸回転」をして止まったあとに、勝手に目が動いてしばらく景色が左右に流れるのと同じ原理で、もっと複雑で立体的な補正がかかってしまったものだろう。 水しぶきの風にのって、自らを凧のようにして川下上空の方へ飛ばせて遊んでいる粋な蜘蛛をみつけ、目をこらし、糸の固定点を発見し、そっとその糸をたぐる。 いつまでひっぱっても蜘蛛は現れず、どこまでも糸がたぐれる。 20Mほどたぐったあたりで、残念、迷惑顔をした蜘蛛ではなく、糸の端っこがあらわれた。 悪いことをした。

帰り道、花谷くんのお父さんの実家である「原口そば」にいって盛りとそばがきを食べる。 ごっつりした10割(だとおもう)そばも美味しかったが、ふわふわのそばがきが絶品だった。 納豆との相性がすばらしい!  満足して家に帰り、7時から水泳のレッスンを受ける。 同じ初級に、今日はじめて見る若い女の子がいて、その先天的な可愛らしい動き仕草と、それに似合わぬ、白い背中に生えた背毛のギャップに心が潤う。 素顔は雛形あきこ的な微妙なくどさがあるのだが、ゴーグルをかけるとそれが緩和されて実にかわいらしく、おそらくプールでのみ輝く系だななどと勝手に値踏みするのが楽しい。 今日はおとといのクロールの呼吸に続いて背泳ぎの呼吸も決定的なコツをつかみ、呼吸に不安がなくなったらこれもクロール同様動きにも余裕がでてきて、タイミングがばしっとあってきた。 先生にも安原さんいきなりタイミングよくなりましたねと褒められてとてもうれしい。 今夜もとてもいいプールだった。

ちゃんすが文翔館でやってるキャンドルのイベントにさそわれてひろみつとあさみと一緒だからおまえも来ないかというのでノリノリでちゃりんこにのって文翔館へ。 いつもBMXがくるくるしてるところに、今日は圧倒的な数の、廃油でつくったキャンドルが並べられている。 きれい。 エコ系のメッセージのこもったイベントらしいのだが、なぜか街灯がついたままで、これでは単なる余剰じゃないかしらとすこし不思議におもうが、まあとてもきれいで町中がお祭りのようなことになっているのでいいじゃないか。 アンパンマンの歌を歌う人や、女性フォークデュオなどの作るひとだかりをとおりぬけ、ひろみつらの知り合いがやっている、蔵をつかったイベントをちょっとのぞき、で、ひろみつらと別れ、気持ちのもりあがったぼくらは金太にいって焼き鳥とビールで1日をしめる。 実に濃い1日だった。 明日は4時起きして、ついに今年最初の釣りにでかける。 ぬは!

2006-06-17-FRI

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送